〜アックス&ウィザーズ・カダスフィアフォート〜
 僅かに一手。僅かに数日……。
 ヴァルギリオス様の仰られた程、我等は後手に回った訳ではない。
 しかし、それでも、この最速の我さえも、敵に先手を許す事となった。

 我を含む『再孵化』した帝竜に、それ以前の記憶は無い。
 だが、我が脳裏には、苦い敗北の悪夢が刻まれている。
 敵の喉元に喰らいついておきながら敗北を喫した、苦い記憶が……。

 だが、それはつまり。
 どのような盤面からでも、勝利の光明は見えるという事。
 例え捨て駒となろうとも、勝利の栄光をヴァルギリオス様の御元に捧げん!