リプレイを読む

 さて、これで後は3日ほど待てば、さっきの小説の作者さん(マスター)が、私の冒険結果を小説にしてくれるんだよ。その小説を「リプレイ」と言うんだけど、それを読むのが、このゲームの一番楽しいところなんだよ!

 ……えっ、もう帰ってきた!
 わーい! 読んでみよっと!

●リアナの行動内容

ボス戦に小細工は無用! 一直線に突き進み、私の「黒剣(呪いを放つ漆黒の剣だよ)」で、ドラゴンを一刀両断しちゃうよ!

●リプレイ

「行くよっ!」
 リアナは呪われし黒剣を構え、床を力強く蹴りつける。ドラゴンとの距離が急激に縮まっていく。

 錬金術の力によって金属のように硬い外皮を持ち、また巨大な肉体を持つドラゴンは猟兵達を退けようと、堅固なクリスタルでできた爪や尾を振り回す。
 振り回される爪をかいくぐり、リアナの黒剣はドラゴンの鱗を貫き、左前肢に深々と突き刺さった。
 ドラゴンの体液が飛び散る。
 瞬間、リアナは頭上に殺気を感じ、黒剣を引き抜くと後方へと飛び退った。
 直後、リアナが寸前までいた場所に迸ったのは強烈な酸の奔流だ。近接戦をしのぎながら、ドラゴンが溜め続けていたアシッドブレスが放たれていた。
 高温を帯びた酸は、先ほどまでリアナがいた場所の金属の床をやすやすと溶かしていた。酸の直撃こそ避けたが、飛沫が触れたリアナの肌が焼け、痛みが走る。
 自分を睨みつけるドラゴンのタフさに、リアナは戦いが長引く事を予感した。

苦戦🔵🔴🔴

 いたた、酸のブレスを受けちゃった!
 勝つには、結果の🔵を積み重ねる必要があるの。でも、ピンチを表す🔴も、決して無駄じゃないんだ。


 🔴が無駄じゃない事を証明するよ。
 見ててね……変、身……!



 ……これは、私の「真の姿」
 私達が世界に選ばれた理由は、私も君も、生命の「埒外(らちがい)」……周囲に合わせてこれまでどうにか繕ってこれただけの、常識外の生命体だからなの。

 🔴が多い程、猟兵は「真の姿」を解放できる。今、私の取るべき行動は……。

●リアナの行動内容

真の姿を発現するよ。私の姿は闇よりも深くなり、全てを飲み込む絶対の黒へと姿を変える。ユーベルコード『混ざりゆく覇王の腕(マグナスブレード)』を発動! 黒剣と右腕を融合し、3分間だけ超強化。180秒で、全てを終わらせてみせる!

●リプレイ

 ドラゴンの肉体は、その巨体が示すように、極めて頑健だった。
 元々頑健な上に、錬金術を用いて自らの肉体を強固に造り替えているのだろう。

「ならば、取るべき道はひとつ──」
 リアナの姿が、闇よりも深き黒の中に沈んでゆく。
 全てを飲み込む絶対の黒……それが、リアナの『真の姿』なのだ。
 そして、
「混ざりゆく覇王の腕(マグナスブレード)……」!
 リアナの右腕が、己の黒剣と融合する、同時に、全身から凄まじい力が湧き上がる!
 ただし、このユーベルコードの制限時間は僅か180秒。それまでに、全てを終えなければならないのだ。

「はぁっ……!」
 飛び上がったリアナは、ドラゴンの体高を超える高高度から、続けざまの漆黒斬撃を浴びせる。ドラゴンはアシッドブレスで応戦するが、液体のブレスでは、闇の重力を帯びたリアナの「重い斬撃」は受け止められない。そして何より、もはやリアナは、酸を避けようともしていない。
 ドラゴンはリアナのユーベルコードを知らない。
 故に、リアナの「覚悟」に気づくのが、僅かに遅れてしまったのだ。
 ドラゴンがそれに気づき、酸から尾の攻撃に切り替えるまで、僅か7秒。
 しかしその僅か7秒が、彼我の勝敗を決定的なものとした。リアナは既に、尾の届かぬ懐深くに、潜り込んでいたのだ。

 残り173秒、ドラゴンの腹部に絶え間なく繰り出される斬撃。
 ドラゴンを覆う錬金装甲が砕け、膨大な流血と共に絶命する。
 リアナは今、「竜殺し(ドラゴンスレイヤー)」の大業を成し遂げたのであった……!

大成功🔵🔵🔵



 何とか、なったみたいだね……。
 分かったかな? これが、「文章で表現する」という事なんだ。

 君も、すぐできるようになるよ。
 第六猟兵には、普通のゲームのような「有利になるセオリー」や「最低限必要なムーブ」なんてものは無いんだ。もっと自由に、もっと思うままに、ゲームや漫画で「自分なら、もっとこうするのに!」みたいに感じた事を、そのままぶつけることができるよ!

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