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4 Chatter Street

クレム・クラウベル 2018年12月31日

「なんだあんた、ここ来んの初めて? 気をつけなよ、お喋り通りの住人ってのは何でも面白い話は噂にして流しちまう。……ま、面白くない話も山程あるがな」

「当然、噂だ。嘘も真も入り混じりってな。鵜呑みにするんじゃねぇぜ。俺のこの言葉も含めてな」



――お喋り通り4丁目にて

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「黄昏通り? あそこあんまり良い噂聞かないのよね。名前からしてちょっと暗いし……。ああ、でもその分、住むには色々安いらしいわね。あたしは住みたいと思わないけど」
「でもあそこの通りに住んでる猫ちゃん、可愛いのよね」
「それは同意するわ」

………

「ああ? あー、あの祓魔師ね。教会の仕事よく拾ってるらしいが、教会所属じゃあないらしいな。ま、祓魔師なんざ名乗ったもん勝ち、所属とか飾りみたいなもんだろ」
「あの坊主、祓魔師なんざしてる割にデタラメだよな。礼拝行ってるとことか滅多に見ないし」
「あいつが神聖魔法だとか使う時、いつも聖句やら祈祷文を読んでるだろ? ありゃ信仰心が薄いヤツがよくやることだ。そうじゃないと借りれねぇしな」
「そんなので効くもんなのか?」
「さあ、俺っちもよく知らねぇよ。何だったか、音にして読み上げるってのは、それを事実にするってことらしいぜ。アレだ。言霊、っつーんかね?」

………

「あの子、確か昔教会にいたわよね。教会の中の、孤児院の方。……ま、この世界じゃあよくある話よね。ああいうの」

………

「そういやここから3つほど隣の街だったか。あそこ、いつなくなったんだっけ? 活気のある街だったんだがなぁ。行ったのももう10年くらい前だ」
「ああ、あれな。人狼に潰されたって聞いたぞ」
「人狼に? 吸血鬼にやられたって話ならよくあるが、そいつはまた珍しいな」
「昔々はよくあったらしいがな。なんせ吸血鬼なんて、滅んだはずの生き物だ。……それが蘇ってきて、好き勝手しやがる」

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(後日訪れれば、また違う噂話が聴こえるかもしれない)




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