《或る日》神楽月・竜殺し
鳴宮・匡 2019年11月9日
◆突然だが
二人の目の前には、低く喉を鳴らす火竜がいるのである。
👉戦う
逃げる
仲間を呼ぶ
◆
時は数時間前に遡る。
近隣の森に火竜が降りてきたというのを耳にしたのは、
うっかり使い切ってしまった食材の買い出しのさなか。
体躯も小さく、傷を負っており、縄張り争いに敗れて逃れてきたのだろう、
なんていうのが冒険者たちの見立てであった。
薪を取りに行った木こりや、狩りに赴いた猟師たちが襲われたという。
森には“それ以外”の餌だって豊富だが、動物は危険を本能で避ける。
だから、“被害”に遭うのは大概、本能で生きていないいきものだ。
――討伐隊を編成すべきか、なんていう話が上った時に。
そういえば、竜を狩りにいきたいなんて言っていたやつがいたな、
なんてことを思い出し――
◆Date・Location
秋の日、天気の良い早朝。
アックス&ウィザーズ。とある街の近隣にある森の中。
◆Person
鳴宮・匡(凪の海・f01612)
十葉辻・祓(修祓・f00582)
2
十葉辻・祓 2019年11月16日
全くもう、それじゃあ私がお悩み相談しちゃおうかね? 題材はひょーひょーとした年下について、だ。
(無効票)
十葉辻・祓 2019年11月16日
(再び竜が大きく息を吸い込むと共に、その両翼を大きく広げる)
飛び立つ気かい?
いいや、違うね――。
(龍の眼は、敵への殺意に満ち溢れていて、逃走なんて欠片も考えていない)
(無効票)
十葉辻・祓 2019年11月16日
再び正面へのブレス……でも、ないねッ!
(丸太よりも太い、トゲ付きの龍尾が、広げた翼の影で振りかぶられていて)
(それでも速度を緩めずに、火竜の懐へと距離を詰めていく)
(なぜなら、自分の後ろには、抜け目のない仲間がいるのだから。うん、もう少し可愛げを引き出したいねぇ)
(無効票)
鳴宮・匡 2019年11月16日
へえ、そいつは誰のことだろうな?
(――なんて白々しい物言いとともに、銃を構える)
(無効票)
鳴宮・匡 2019年11月16日
(相手の動きは“視えて”いる。
その意図も含めて、手に取るように理解できる)
(大きく息を吸い込んだそれには目を留めない。
“火のにおい”が混じっていない――ブレスを吐く心算ではない)
(広げられた両翼にも怯みはしない。
両脚に力をかけた様子がない。姿勢を低くとってもいない。
飛翔する心算でもないだろう)
(無効票)
鳴宮・匡 2019年11月16日
(奇しくも――否、お互いに敵を“視て”いたのなら必然だろう――読み取った相手の狙いは、前をゆく彼女の推測したそれと一致している)
(銃を構える。サイトを覗き込んでその先、狙うのは――硬い尾棘。
ほとんど間を置かずに放たれた銃撃が、振りかぶられた尾の先を弾いて――)
(――次いで、竜の顎を撃ち据えた)
(“噎せた”ように竜が唸り、仰け反った頭が一瞬――天を仰いだまま動きを止める)
十葉辻・祓 2019年11月16日
(銃撃の音がその耳に届いた瞬間、今にも薙ぎ払われようとする龍尾が弾き飛ばされ、竜の脳を揺れ動かす衝撃の破裂音が響く)
――そりゃあ、こんなときにとても頼りになる、誰かさんのこと、さっ!
(無効票)
十葉辻・祓 2019年11月16日
(狙いが崩れた龍尾がそれでも力任せに振り下ろされ、しかし虚しく地面を抉るとともに、祓の足元の土が陥没する)
ここまでお膳立てされちゃあね……ッ!
(それを為したのは、龍尾ではなく、地を蹴り上がる両の脚で。宙を蹴り抜きながら、同時に土をも蹴りつぶすことでその衝撃は相乗される)
(正面への急加速。天を仰ぐ竜の視界から完全に消えて)
(無効票)
十葉辻・祓 2019年11月16日
――ッ!(その加速のまま、宙を、そしてちょうどよい場所にある龍尾を踏み潰しながら、その先の翼を踏み折りながら。両足を形作る、ヤドリガミの仮初の肉と骨が悲鳴を上げるのと引き換えに、慣性をねじ伏せて竜の背後へと)
(無効票)
十葉辻・祓 2019年11月16日
(最後の足がかりに、先程突き立てられた刀の柄を踏み砕く)
(そうして、ゆっくりと(一瞬で)そっと(力任せに))
(棘の後ろから、肘から爪までの距離。教わった通りの場所に)
(突き刺された刀が、竜の急所を貫いた)
――それじゃあ、おやすみなさい。良い夢を。
鳴宮・匡 2019年11月16日
――――。
(銃は下ろさなかった)
(恐らく、もう引き金を引く必要はないと理解していた)
(それでも武器を下せないのは。
――“万が一”をいつでも考えてしまうのは、“そういうもの”だからだ)
(無効票)
鳴宮・匡 2019年11月16日
(視線も、逸らすことはなかった)
(刃が突き立てられるその一瞬を、逸らすことなく見ていた)
(――やはり、何を思うことだってできなかったけれど)
おやすみ。(どうか、迷うことなきように。)
(……小さく、囁くような声だけが零れた)
十葉辻・祓 2019年11月16日
(そうして、ヒトの縄張りへ入り込んだ火竜は、静かに倒れ伏していった)
…………。
(ずるり、と竜に埋め込まれた刀二本を抜き出して、そのまま虚空へと仕舞う)
(無効票)
十葉辻・祓 2019年11月16日
(匡の方を見て、しばらくして)
……ありがとう、素晴らしいサポートだったね。
ようし、それじゃあ……。
(無効票)
十葉辻・祓 2019年11月16日
いただこうとしようか。竜の命は、どこも無駄にする場所はない……だろ?
鳴宮・匡 2019年11月16日
(静寂が戻れば、一つ息を吐いて。銃を下ろした)
……そっちこそいい動きだったよ。任せて申し分なかったな。
…………
(無効票)
鳴宮・匡 2019年11月16日
…………いや、待て、その前に。
(大股に彼女の方へと近づいて。座って、と目線で示し)
足、まずは治療した方がいいだろ。
十葉辻・祓 2019年11月16日
おおっと、バレていたか。
さすがは抜け目のない……。
まあ、そんなに重度ではないよ、私の本体は別にあるしね。
(といいつつも、素直に座る。一日くらいは歩きにくいだろうが……)
鳴宮・匡 2019年11月16日
あんな動きして身体がなんともない方が変だろうが。
(まあ、素直に座るだけまだいいか、なんて思いつつ)
足、楽にしていいから。……どこが一番痛いとかある?
(ひとまず出血の有無を確認する。
――そういえば、ヤドリガミの身体は血を流すものなのだろうか)
十葉辻・祓 2019年11月16日
ふむ……脚全体が砕けそうな感じで痛むねぇ。痛みは遮断できるけども。
(基本的には人体と変わらない肉体である、その脚は、血こそ表面に滲んではいないが、毛細血管が破裂したように中で出血しているようで)
あえていうなら、足裏かね。(竜を踏みしめた影響のためか、ずきずきと鼓動のたびに痛みがあって)
鳴宮・匡 2019年11月16日
遮断できんのかよ……便利だな……。
(思わずそんなことを呟いてしまった。――自分とて痛みを“なかったこと”にはできるが、それは意識の外に外すというだけで、痛み自体をなくせるわけではない)
(膝から下全体に腫脹と、皮膚の紅潮が見られている。
皮下で出血がある、と見えた――足裏も恐らく変わらぬだろう。
止血処置が必要そうな大きな出血は見当たらず、それに関しては安堵する)
…………とりあえず冷やした方がよさそうかな。
確か冷凍庫がわりの……もとい冷気の刀なかったっけ、祓。
十葉辻・祓 2019年11月16日
ちょっとしたヤドリガミぱわーの応用ってやつさ。
(ふふん、とちょっと得意げに)
(無効票)
十葉辻・祓 2019年11月16日
おやおや、私の刀は何のためにあると思っているんだい?
よし、ガンガン冷やそうじゃないか。
(にょき、とひんやり冷気を纏う刀(ちゃんと鞘に入ってる、安心!)を取り出して)
鳴宮・匡 2019年11月16日
何のためでもいいよ。使えるもんは何でも使うのが戦場のならいだ。……ていうか料理器具代わりにしてるやつの言うセリフじゃねーだろうが。
(一応ツッコんでみたりなどしつつ、タオルを数枚取り出し。濡らして絞ったそれを、彼女に手渡す)
とりあえずこれ足に巻いて、しばらく刀のそばで休めておきな。少しはましになるだろうから。
(解体はこっちでやるからいいよ、なんて言いながら)
十葉辻・祓 2019年11月16日
そのとおりさね。(くふふ、と笑って)
戦場でも、日常でも、役に立てるなら、この子達も喜んでいるさ。
全く気の利く男だよ、匡は……。
いつだってお婿さんに行けるな。
(なんて楽しそうに笑いながら、言われたとおりに脚をタオルと刀の冷気で冷やす)
ありがとう、助かるよ。
鳴宮・匡 2019年11月16日
…………望まない使われ方だとしても、そうなのか?
(なんて、つい口から零れ出ていて、)
(すぐに、“なんでもない”と、打ち消した)
(無効票)
鳴宮・匡 2019年11月16日
今のところそういう相手はいないし、これまでにもそういう縁はなかったけどな。
……そんなにいい人間じゃないよ、俺は。
(などとそんな言葉で、話は途切れ。“必要”な部位を見分しはじめる)
十葉辻・祓 2019年11月16日
望まない……ね。ああ、そうだったらいつか、私は反逆されるだろうさ。その日まで、100年はかからないとは思うが……。(どうなんだ、と言いながら刀を眺める)
望んでいるかどうかは……本人でないとわからないものだ。(いいや、本人でさえも……なんてつぶやいて)
(無効票)
十葉辻・祓 2019年11月16日
ふうん、そうなのか……。
いい人間かどうかは、果たして誰が決めるものなんだったかね。
(おとなしく脚を冷やしながら、興味深げに匡のやることを見つめて)
鳴宮・匡 2019年11月16日
…………ああ、いや。ごめん。変なこと言ったな。
(気にしなくていいよ、とひらひらと手を振った。呟きも、耳に届いている。あるいはそれは、彼女自身の体験であったのだろうか――なんて、思ったことは口にせず)
(無効票)
鳴宮・匡 2019年11月16日
周りにどう見えてたって、俺の本質は利己的な独善者だよ。
……徹頭徹尾自分のためでしかない。殺すのも、守るのも、救うのも。
……こいつを殺すのだって、別に、なんでもなかった。
かわいそうだとも思えないし、ひどいことだとも思わない。
そんな――
(――そんな、“醜い”ものが、“いい人間”のわけがない。)
(言葉は最後まで紡がれず、吐息とともに霧散した)
十葉辻・祓 2019年11月16日
人のために働くよりも、自分のために働く……いいじゃないか。
私だって、言うなれば自分のためにここに来て、この竜を殺したのさ。
近くに竜が住み着くよりも、人がいるほうが都合がいい。
それでも人のために来たって言う方が、生きるためには都合がいいんだ。
――匡は……純粋だね。
(霧散していった言葉の行方を、追うように空を見上げて)
鳴宮・匡 2019年11月16日
……それでも少しくらいは、悼む気になったりするだろ。
ひとが死ねば悲しいとか、かわいそうとか思えて、殺した命に幾許かの情くらいは持つだろ?
(“こころ”のあるものが、当たり前に抱くような感情も、感慨も、)
(――自分には、それがないから。ないのに。)
…………そんなことさえできない、“ひとでなし”が。
本当に、祓にはそんな風に見える?
十葉辻・祓 2019年11月16日
ああ、見えちゃうね。
本当に“ひとでなし”なら……そんなことを悩んだり、気にしたりしないよ。
私の脚を診てくれたりも、ね。
どれだけ人を思っていようが、心の中は見えないものさ。
どれだけ情がわからないと思っていても、
人は、その行動で、行ったことで、自分が何者か示すんだろう。
だから、私にとって、匡は純粋な……いい人間だね。……ふふ、可愛げがある、ね。
鳴宮・匡 2019年11月16日
――――。
(無効票)
鳴宮・匡 2019年11月16日
(そう、結局、行きつくところは同じなのだ)
(“こころのない”ものは悩みもしなければ、
他人を慮ることも――“ふり”であっても――ないだろうと)
(それがどこから出ずるものかに依ることなく、
目に見えるものとして示されたことが、その本質を示すのだと)
(誰もが、そう言って、“ここにあるもの”を許容するのに)
(それを認められないのは、きっと自分だけで、自分の所為だ)
(無効票)
鳴宮・匡 2019年11月16日
(――それを、信じられるようになりたいと思うのに。)
(自分の為すことのすべては、
“そうでない”ことばかりを示すから)
(いつまで経っても、自分はここから、前に進めないままだ)
(無効票)
鳴宮・匡 2019年11月16日
…………、そう。
(小さく、頷きとともにそう溢して)
……そう思ってくれてる、ってことは、覚えておくよ。
可愛げ、のところだけは訂正を要求したいけど。
十葉辻・祓 2019年11月16日
ああ、覚えてくれるだけで重畳だね。
ふふ……訂正を要求されることが、もはや可愛げが増していく一方なのであった……。
何、いきなり全てを解決できることなんてそうそうはないものだよ。
ひとまずは……そう、ドラ肉パーティーの時間ではないかねぇ?
そう、腹が減っては戦はできぬというやつだ。
鳴宮・匡 2019年11月17日
なんで??
むしろその可愛げってのがどっから出てきたんだよ???
(思わずそんなツッコミをしてしまってから、咳払い一つして)
……まあ、わかってるんだよ。
結局自分が変わろうって思えなきゃ、どうにもならないことだってのもさ。
今は、……そのための実績作りって感じ。
(それもまた、打算的で“ひとらしく”ないように思ってしまう――
なんて、そんな風に「考えすぎる」のがよくないのだろうか、なんて思いつつ)
(無効票)
鳴宮・匡 2019年11月17日
……ま、それもそうか。
とりあえず今日のところは、目の前のことからだな。
……あらかた必要そうな素材と、可食に耐えそうな部位はピックアップしたんだけど、ちょっと俺の手持ちの武装だけじゃ綺麗に取れそうにないんだ。
脚の痛みが引いたら、手伝って貰ってもいいか?
十葉辻・祓 2019年11月17日
はっはっは、良いツッコミだ。
今日は祓との友情パワー第一段階の実績を解除したね。
第二段階目指してともにがんばろーじゃないかっ。
(演出継続)
十葉辻・祓 2019年11月17日
いいとも。早速第二の共同作業だね。
私の刀はこういうときのためにあるっ。
鳴宮・匡 2019年11月17日
第二段階……??
いや俺別にお前と漫才コンビするつもりはないんだけど。
(こういうのも、“友情”でいいのか、なんて。そんな風に学習しつつ)
なんかその言い回しちょっと変じゃない?
……用途が増えてる、増えてるぞ祓。まあいいんだけどさ。
それじゃ、まずは尾の方から――
十葉辻・祓 2019年11月17日
人の可能性が増えていくように……刀もまた、そのポテンシャルは無限大なのさ。
(祓はドヤ顔でそういった)
ようし、一刀両断、気合を入れて――あ、ちょっと足裏に力が入っていたいねっ?
鳴宮・匡 2019年11月17日
そこは頑張ってほしい。(きっぱり言った)
……あくまで応急手当だし。帰ったら本格的に手当てするからさ。
(無効票)
鳴宮・匡 2019年11月17日
(――そんなことを言い合いながらの“共同作業”はそれなりに時間がかかり)
(鎧のパーツに加工するらしい鱗、武具の刀身に使われる牙。それに、耐火具に使われる翼膜――などとここぞとばかりに申し付けられた品々を納品し終えたころには、陽は中天に差し掛かるころだったという)
(演出継続)
鳴宮・匡 2019年11月17日
(――なお、昼食は持ち帰った火竜肉の串焼きだったとか、なんとか)
鳴宮・匡 2019年11月17日
――Over and out.【〆】