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🎵⛓喰らわれた運命

塔・イフ　2023年5月1日

塔・イフ　2023年5月1日
愛しているわ、愛しているの。

ーたとえ、あなたの記憶が黒く染められていったとしても、
ーたとえ、あの獣にこの身を食い破られたとしても。

塔・ルーチェ　2023年5月1日
愛してる、愛してるんだ。

―――始まりは、キミの死だった。

ボクはそんなの信じたくなくて。
ボクはそんなの信じられなくて。

受け止められなかったから。
“ちから”を使った。
その代償の大きさを最初は理解してなかったんだと思う。

でも、見つかってしまった。
“獣”が、ボクたちを追いかけるようになった。

なんで。

なんで。

幾度繰り返しても、キミは死ぬ。
獣から逃げ回って、またキミを探す旅。
終わらない輪廻。巡らない転生。

わかった。
ひとつの命を助けるには、
ひとつの命が必要なんだ。

それなら、

ボクはこの命など惜しくはない。

イフ。
獣に見つからないようにするんだよ。

“その時”が来るまでは、
ボクが隣で護り続けるから―――。

塔・イフ　2023年5月3日
――この戀をくれたあなたに、すべてあげる


泣かないで、泣かないで。
だいじょうぶよ、だってあなたはここにいるもの。
だって、わたしもここにいるもの。
そう言って、あなたの頬を撫でた。


これは一体、何度目のわたしの死の記憶？
何度目の、あなたの心《しあわせ》を塗りつぶした記憶？



目覚めるたび、思い浮かぶのはあなたの顔
わたしは何度もあなたを探して
あなたと巡り会って
――そして、あなたの前で、わたしは死ぬ。


これが、『獣』のせいだと知ったのは、いつからだっただろう。

あなたは語る
ひとつの命を助けるには、
ひとつの命が必要なんだ、と。

それならば、
わたしはこの命なんて惜しくはない


わたしは『獣』を探し出す
『獣』が私を喰らおうとしているのなら、
この身体などいくらでもあげる


――わたしを生かすため、あなたの想いを傷つけ続けた《あなたを殺し続けた》、
　どうかその償いを

塔・イフ　2023年5月13日
獣は永劫の眠りに。

たとえこれから、どんなにつらいことがあっても、
きっと乗り越えていける。
ふたりなら。


手をつないで、鎖され、喰われかけた運命の先へ。
一緒に行きましょう、ルーチェ。