（謎の光景が脳裏に広がる）
柊・はとり 2021年3月19日
～アポカリプスヘル・とあるレイダーの基地周辺～
はあっ、はあっ……。
ここまで来ればもう大丈夫かな。
まったくもう、はとり君ったらいつも無理しすぎだよ！
デッドマンだってヴォルテックエンジンが壊れたら死んじゃうんだからね！
……今の私が言っても、はとり君には聞こえないんだけど……。
……うん、なに、どうしたのコキュートス。
『柊はとり が 苦しんでいるのは あなたのせい』
…………。
君って意地悪だね、ほんと。作った人の顔が見てみたいよ……知ってるけど。全っ然似てないけど。……もう死んじゃったけど……。
それでも『私達』は死ぬわけにはいかないんだ。みんなの想いを背負ってるんだから。
それに……私は。はとり君を殺した犯人を見つけなきゃ、やっぱり死んでも死にきれないよ。
そのために、二人で一人の『ホームズとワトソン』になったんだから……。
『ご契約の内容を 確認します』
『《ワトソン》夏海 箱音 は 《ホームズ》柊 はとり の 生存と引き換えに 死亡する』
『！警告！ アカウント《ホームズ》に 不審なアクセスがありました 排除しますか？ 柊 はとり』
『error error error……』
……うん、わかってるよ、あと少しで戻るから。随分はとり君がお気に入りなんだね。
はとり君に気づかれたら、私は今度こそ、本当に、死ぬ……ううん。君に殺されるんだ、コキュートス。
それでもいいよ。はとり君の覚悟には敵わないけど、私だって一度は死んでるんだから。
真実の欠片でも掴みとるんだ……私達は『名探偵・柊はとり』なんだから。
……追手が来たね。
行くよコキュートス。君が嫌がったって、私がはとり君を守るからね！
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