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【メタNG】天へのきざはし【個別スレ】

楜沢・紺 2021年1月4日

アックス&ウィザーズ。剣と魔法と竜の世界での猟兵と竜との戦いは猟兵の勝利によって終わりを迎えました。
冒険者たちの夢見た竜の財宝は群竜大陸に浮かび
その領地の支配権は猟兵達に委ねられました。

一攫千金を夢見た一般の冒険者たちの冒険はこれで終わり――
というわけではなく
たった今冒険者達の間では新たな伝説の噂で持ち切りです。
その名も天上界――かつて帝竜ヴァルギリオスに封印された未知の大陸にはヴァルギリオスの蓄えた財宝を凌ぐ金銀黄金が眠っているともっぱらの噂です……。

もしかすると猟書家が少しでも捜査の手数を増やす為に敢えて冒険者たちに吹き込んだのかは分かりませんが――

ともかく、冒険者たちの夢はまだまだ終わらないのでした!

参加者 楜沢・紺 雨宮・いつき




演出終了
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楜沢・紺 2021年4月25日
(そう紺がいつきさんへ語り掛ける間に、竜の身体に走る赤い筋が強く発光を始めます。すると突如管狐達が一斉に吹っ飛ばされました。コンマコンマ1秒にも満たない時差があり高い破裂音が響く。爆発。衝撃波。吹き荒れる熱風。どういう原理か属性かはわかりませんが「爆発を起こす」それがこの竜の力のようでした)

……くっ!? ぐっ! 師匠! 大丈夫ですか?
(紺は地面に刀を突き立て結界を張ります。その結界の影に立っているエニスさんは混乱していたようですが、なんとか衝撃に対して姿勢を低くし、分からないなりにこの状況に付いて行こうとしているようです) (無効票)
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雨宮・いつき 2021年4月29日
(血のように赤く輝く竜の瞳を睨み返しながら、少年は紺くんの言葉に肯定の意を示します)
生身のままでいるよりは安全……ですか。
そうですね、エニスさんにはそうしてもらって――
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雨宮・いつき 2021年4月29日
(竜の身体を走る赤い筋が、脈動するように輝きました。何かが、来る――! 自然と、淀みなく目の前に少年が護符を放ったのと同時、耳をつんざくような破壊音が炸裂しました。寸でのところで展開した結界が少年の身を守りますが、管狐達まで守るには到らず。その悉くが煙が雲散するように掻き消えていきます)
……! こちらは、大丈夫です!

(ちらりと視線を向けた限り、紺くんもエニスさんも無事のようです。まずは一安心、ですが……)
(ある程度の力は削いでいるはずですが、なんという圧倒的な破壊。僅かな予兆でここまでの力とは。半ば感心にも似た気持ちすら沸いてきます)
エニスさんを早くキャバリアへ!
その間は僕が受け持ちます!
(結界護符を宙に浮かせ、いつでも防御に移れるようにしながら少年は、まるで抜き撃ちのように懐から新たな護符を放ちます。それと同時に迸る紫電。護符から放たれた雷が鋼の竜へと襲い掛かりました) (無効票)
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楜沢・紺 2021年4月29日
(「わかった!」と声の後、少ししてキャバリアのモーター音が。二人ともキャバリアの事は詳しくない筈ですが、件の自動操縦というモノで何とかなったようです)

(そしていつきさんの護符より雷鳴と共に放たれる一筋の閃光。それは狙い違わず竜へと命中。表皮は金属に覆われてるためか目立った外傷はありませんが、びくりと身体が反応して一瞬怯んだような、そんな手応えを感じるでしょう)
「小癪な――! フン……口先ばかりではないか、それは認めよう」

(帝竜程ではないにせよ。普通の建物などよりも大な竜、それは一度はキャバリアの方を睨みつけていたように見えましたが。今はいつきさんの方へ身体を向け、じっと自身よりも小さな少年の姿を敵として対峙しようと言うようでした)
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楜沢・紺 2021年4月29日
(向かい合ってみると竜がよろうその金属というが、不思議な模様のような物が走っているのが見えます。
黒と白の金属が織物のような結晶構造を作っています。
けれどそれは合金というにはどこか自然に結晶化した物のような印象を受けるでしょう。
あるいはこの金属をいつきさんは見た事があるかもしれません)
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楜沢・紺 2021年4月29日
(鉄とニッケルを多量に含む事で特徴的なニッケルの八面体結晶が浮かぶ金属。それは生成過程において超長期間の冷却時間によって発生します。その代表的な物として挙げられる物は鉄隕石より採取される隕鉄がそうです)
「我が流星の力を持って貴様を粉砕するとしよう」

(竜の身体の筋が再び赤く発光を始めます。身体中が赤熱し赤く燃えるような光を纏う姿は宙から天を裂き降り落ちる隕石のようにも見えるでしょう。姿が揺らぎ見える程の高温へと達すると赤熱する竜の身体がいつきさんへ向けて突進を始めます)

「天の鎚とも呼ばれた我が一撃を喰らうがいい!」
(金属をよろう巨大、高温の身体、そしてその大きさにそぐわぬ加速度。これを正面から受けるのはまさに流星に立ち向かう事と同意義でしょう) (無効票)
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雨宮・いつき 2021年4月30日
(堅牢な金属の鱗を穿つことは叶わず。けれど一瞬怯んだかのようなあの反応。雷撃が金属を伝って内部まで到達したのでしょうか。何にせよ、まったく攻撃が効かないわけではない。その事実に、少年は確かに手ごたえを感じます)

(竜と睨み合う視線を外さないままの少年。その背後から聞こえる機械の音は、キャバリアの心臓に火が入った証。どうやらエニスさんは無事にキャバリアへ搭乗できたようです。気掛かりが一つ減った事で、目の前の巨竜へと集中される少年の意識。改めて見ると、なんという大きさなのでしょう。黒い光沢と赤い筋で織りなされるその様相は、本当にこの竜は生き物なのかと疑問を感じさせる異様。そして不気味に輝く血流の如き筋は破壊の兆候)
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雨宮・いつき 2021年4月30日
(竜の身体を陽炎が覆うと同時、少年の周囲に浮かんでいた結界護符が力を失ったように地に落ちます。"この程度では防げない"。本能的にそう直感した少年が、結界護符への霊力の供給を断ったためです。左の手を懐へ入れ、宙へと放たれるのは新たな護符。人差し指中指を立てた右の手を顔の前へ。構えを取る間にも、流星と化した竜は見る見るうちに少年へと迫ってきます)

(狐火で迎え撃つ? 否、暖簾に腕押しです。金行の鎖で絡め取る? 否、容易に引き千切られてしまう事でしょう。そう思わせ、圧倒するほどの力。それを前にして、少年は――)
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雨宮・いつき 2021年4月30日
……急急如意令!

(あえて、"正面から迎え撃つ"選択をしました。手印を組んで命令を示し、顕現を命じれば。宙に放った護符が巨大な光の五芒星を描き、その中心から巨大な腕が飛び出てきました。ユーベルコード、『大太郎草子開帳』。かつてサムライエンパイアでの戦争の折、流星と化し降り注ぐオブリビオンの悉くを砕いたその技は、無垢なる巨人、大太郎法師――ダイダラボッチと呼ぶ方が通りが良いかもしれません――その巨腕巨脚を顕現させる召喚術です。完全な詠唱には時間が足りず、略式での召喚であったため現れたのは右腕のみですが……その渾身の右ストレートが、正面から巨竜に叩き込むべく振るわれました) (無効票)
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楜沢・紺 2021年5月1日
(赤く燃える流星。現象と生物の狭間の存在となった竜。それと五芒星より現れた巨人の拳が衝突。
爆ぜる赤い閃光。もはや音とも捉えられない爆発的衝撃波)

「ゴォオガアァアア!!」

(腕と流星。赤く燃える二つの中で上がる竜の咆哮。
天の星、巨神の腕。互いに大地を形作る程の巨大な力が衝突し大地までもが激しく揺れる)
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楜沢・紺 2021年5月1日
(竜は赤い火炎の翼を噴きながら流星のような突進を続ける。
巨人の腕はそれを押し返す。二つの力は拮抗した――)

(竜が自ら発する熱で血のように流れ落ちる溶鉄の雫、微かに欠けては散り行く竜を守っていた隕鉄の鎧。巨神の拳もせめて両腕であれば――徐々に召喚に必要な力を維持できなくなり、その存在が薄れていく)

「いますぐ! その竜を! 止めて下さい!」
(スピーカーを通して響くエニスの声。そして地鳴りが一つ。
そこに鎮座していたキャバリアが竜の方へ駆ける。
踏み込む脚から床へ杭を打ち込み自身を固定。
両腕を燃える竜の中へと突きだす)
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楜沢・紺 2021年5月1日
うごいた……! アレ、エニスさんが動かしてるんだ!

(腕と竜とキャバリアの戦闘に近づく事ができず、とりあえずいつきさんの方へと駆け戻る紺)

(竜に突き出されたキャバリアの両手は表面が赤熱を始めながらも巨神が抑えていた竜の突撃を抑え。一瞬、巨神の腕は腕を引き再び竜へ目掛け拳を打ち出す)

「ゴアッ!! ……アガァッ!!?」
(衝撃を身体に受け、吹き飛ばされ、金属の壁に打ち付けられ苦し気な呻き声をあげる竜、微かに身じろぎする様子からまだ死んだようでは無いものの身を包む炎は鎮まって行きます) (無効票)
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雨宮・いつき 2021年5月1日
(竜と巨人の度重なるぶつかり合いで発生した余波に吹き飛ばされそうになりながらもどうにか踏みとどまり、少年は懸命に霊力を注ぎ込みます)

(完全な詠唱で召喚し直せる隙があれば、あるいは結果は変わっていたかもしれません。ですが――そうはできなかった。片腕だけに強引に霊力を注ぎ込んで、何とか拮抗に持ち込ませていた状態。無理が来ないはずもありません。相手も無傷ではありませんが、このままでは先に持たなくなるのはこちら――横合いから鋼の巨人が割り込んできたのは、まさにその時でした)
っ、エニスさん……!?
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雨宮・いつき 2021年5月1日
(一瞬の隙を突いて竜を殴り飛ばした巨人の腕は、力を使い果たしたのか崩れ落ちるように光の粒子へと変じてゆき、やがてその腕の根本にあった五芒星も掻き消えます)
助かりました、エニスさん……

(鋼の巨人の威容を見上げ、そして同時に視界に入って来るのは、戦闘の余波で傷だらけになった遺跡の内部。避けられなかった被害なのかもしれませんが、それでも少年は歯噛みします。ここは、彼女にとって特別な場所だったのに)
……まだ動くようですね。油断せずに行きましょう、楜沢さん。

(後悔は僅かな時間。鉄の鱗が軋む音に身構え、傍へ立つ友人にして弟子にそう言葉を掛けながら、少年は新たな護符を取り出します。先の応酬で霊力の消耗も激しいですが、相手は待ってくれません。身体に、精神に鞭打ち竜を見据えます) (無効票)
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楜沢・紺 2021年5月1日
(いつきさんの言葉に頷く紺、いつきさん、それからキャバリアが苦し気に呻く竜の方を向きます)

「たった……3人、たったの……3人か、あの方へ及ばずとも、いつかそのお傍に付ける日が来ると……そう信じていたのだが……これでは…こんな様では……」

(再び、頭に響くような竜の声。それには弱者と思っていた相手に追い詰められた深い失望と落胆の色が見て取れるでしょう)

(身体が瀕死に近い事は明らかですが、それ以上に精神へ受けた被害の為、そこに立ち竦んでいるようでした)
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楜沢・紺 2021年5月6日
「………………」


「……………」


「………」
「………」
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楜沢・紺 2021年5月6日
(三者三様に身構えていました)

(相手はオブリビオン、戦いとなれば生きている限り最後まで抵抗してくるだろう。それならばそれを往なし止めを刺す)

(これがグリモア猟兵による予知であれば相手の手札が分かるのですがそれも無い以上は身構える事が正攻法だったでしょう)
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楜沢・紺 2021年5月6日
(しかし、今。それぞれ身構えてから5秒程の時間が流れました)
(「何かおかしい」)
(油断させてからの反撃を狙った狸寝入りでは?
そう考えた紺は懐から一枚の青い葉を取り出します。
それは類感呪術の一つ。類似する何かとの間に関係を結び付ける事で
双方が受けた影響を具現化させるというモノでした。
小さいものから大きな方へは難しいですが、その逆はあまり難しくありません。
取り出した葉を竜に向け翳すと葉に急速に焦げ目が走り、一部が破れ、萎れいき、竜が身体に受けた被害、残存する生命力が葉の様子に現れて行きます)
これが狐火、巨人の腕のダメージ、それこれは……。
おかしい……ボクらが何もしてない今もどんどん弱って行ってる!
アイツ何かしてる! すぐ倒さないと! (無効票)
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雨宮・いつき 2021年5月9日
(一体あの竜は何を……? そう考える暇すらありませんでした。紺くんの切羽詰まった声に応えるように、少年は護符を構えて。……竜が何をしてくるのか、それは計り知れませんが……息が上がったこの身体では、これから竜が巻き起こすことに対処できないかもしれない。そうすれば、紺くんは、エニスさんは。最悪の事態が脳裏を過って……少年に一つの決意をさせます)
……楜沢さん。
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雨宮・いつき 2021年5月9日
(ちりちりと炎が爆ぜるような音。それと共に、濡羽のような少年の髪が、毛先から根本へ向けて白く変じてゆきます。まるで、燃え尽きて灰になるかの如く)
……エニスさんを、お願いします。

(刺し違えてでも、止めてみせる。その思いを胸に、瞳を閉じる。そして。藍のような左の瞳は、次に目を開いたその時には蘇芳のような赤へと変じていました)

(狐色の尻尾を青白い炎が包み、そしてその炎はまるで尾のように分かたれてゆきます。狐の尾が一に炎の尾が八。併せて九尾。――『真の姿』。猟兵達の間でそう呼称されるものに近しい形態。それが今の少年の姿。彼が宙に浮く護符に手をかざせば、八尾の炎がその護符を中心に集い、一つの巨大な火球を形成してゆきます) (無効票)
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楜沢・紺 2021年5月9日
……あれが師匠の真の姿!!?
(炎の尾を合わせた九尾の狐。美しく悍ましく咲く火炎の花。
その姿は伝説に伝わる九尾の狐ようです)

(その変容は驚くべき事でしたが。彼の呟く言葉に紺は動揺を隠せませんでした)
師匠! そんな!! まって!
(たしかにそれ程の力を寄せた大火球であれば
どんな絡め手であろうとも押し切れるような予感がありました)
(しかし後を任せるような事を言われては――不安にもなります)
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楜沢・紺 2021年5月9日
(もしもその大火球を放てば、光はユ―ベルコードの類を打ち消し、この竜は跡形も無く消滅する事でしょう)
「……」

(そうすれば帝竜や、例えオブリビオンフォーミュラーであっても悪あがき等できないそれは間違いない事でした)

「……」
(そのような絶技を前にしてもなお、瀕死の竜は不動にして無言。
今もなお死に続け、紺が握りしめた彼の生命力を現す葉は枯果て塵になり、竜は完全に死につつありました) (無効票)
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雨宮・いつき 2021年5月10日
『破式、開帳』
(この姿は、そしてこの技は、少年に大きな負担を与えます。ましてや消耗した状態で無理を押しての行使。通じようと通じまいと、放てば自分はきっとまともに動けなくなる。確かな予感が少年にはありました。だからこそ頼りになる弟子――そして同時に友人である紺くんに、今ここで守るべき人のことを託したのです)

『天(あま)ねく照らすは幽幻の炎』
(詠うように奏でられる詠唱。八尾の炎は今や全てが炎の珠へと呑まれ、煌めきます。それはまるで、地に降りてきた太陽の如し)

『日輪が如きこの輝き、とくとその目に焼き付けよ』
(その輝きが竜を覆い尽くすべく、少年の手から放たれました) (無効票)
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楜沢・紺 2021年5月11日
(少年の手から解き放たれた炎、視界の全てを真白に染め上げる程の光。全てが光りに包まれ。紺も思わず目を瞑り、誰にも何も分からなくなります)

……!?
(そうして光が消えた時竜は跡形も無く姿を消して居ました)

(紺は瞬きし、思わず手にした葉を見ます。
いいえ、見ようとしました。
そこに葉はありません。あるのは其処に葉を摘まんで居たという感触の名残だけ。
そこには可能性の一欠けらさえ無く、恐らく未来永劫。
あの竜が最期に何をしようとしてたのか、それを知る機会は失われた事でしょう。彼の成そうとしたことはその可能性さえ全て消し去られてしまったのですから――)
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楜沢・紺 2021年5月11日
(キャバリアの方は流石は砲撃に耐えられるよう重く丈夫な装甲らしく外傷らしい物は見当たりません。無事なようです)
「いつきさん……?」

(エニスさんの声、スピーカー越しですがしっかり聞こえます。どうやら中も無事のようです)
(それにホッとしたのもつかの間、紺はいつきさんへ走り寄ります)

お師匠! 大丈夫ですか!? 
あんなすごい術を使って――どこか痛くないですか! (無効票)
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雨宮・いつき 2021年5月15日
(紺くんが駆け出した先には、地面へとうつ伏せに倒れ伏した少年の姿がありました。焔の尾が新たに生えてくることはなく、髪の色も真白からいつも通りの黒へと変わっています)

(紺くんの声に応えようと、身を起こそうと少年はします。けれど、体が言うことを聞きませんでした。筋肉痛のように節々に走る痛み。心を奥底に縫い付けられたかのような倦怠感。なんとか、仰向けの状態に体を動かすだけで精一杯でした) (無効票)
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楜沢・紺 2021年5月15日
………師匠、じっとしていてください。
(妖力や霊力か、そもそも体力のようなものまであらゆる力を消耗してしまったように見受けられ)

もう敵はいません、直ぐ街に戻りましょう
(そう言って仰向けのいつきさんに手を伸ばします)
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楜沢・紺 2021年5月15日
(そこへさらに伸びる巨大な腕が一つ。
自動補正によって人を害さないよう制御された腕は掌を上にしてゆっくりと紺といつきさんの傍へ降りて着ます)
「乗せて下さい。これで運びましょう」

え。でもあんな通路じゃ通れないんじゃ……
「大丈夫。上げてください」
(エニスさんがそう言うと、アラーム音が響き、先ほど入った出入口が閉じます。「ゴオン」と一つ地鳴りがして床が揺れ……)

天井が……。
(天井が割れ、ゆっくりと四方へ開いて行きます。
そしてそこへどんどん近づいてきている。床がせり上がって居るのがわかるのでした)
エレベーターだ。じゃあ、上から出られるんだね。

(中の戦いで生まれた熱気が天井に開いた穴より抜け出し、代わりに朝の爽やかな空気や日差しが中へ降り注いで来ます)

お師匠、寒くありませんか?
(紺は上着を脱ぎ、いつきさんに掛けようとします) (無効票)
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雨宮・いつき 2021年5月15日
(紺くんとエニスさんに害をなす者は、もう存在しない。そのことを理解して、少年は緊張した表情を和らげます)
……ああ……ご無事で良かったです、二人とも……

(差し出された手を取って、力を振り絞って。時間は掛かりましたが、どうにか上体を起こします。地鳴りのような音と共に床が揺れたのは、その時でした。十文字に頭上から差し込んでくる光。見上げれば、鉄の天井が徐々に開いていくのが見えました)
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雨宮・いつき 2021年5月15日
あ……ありがとう、ございます。
(肩に掛けられた上着を、そっと掴んで胸の前まで寄せて。少年は、また視線を上へと戻します。揺蕩う雲、熱気と入れ替わりに吹き込んでくる風。目に、肌に感じるその感触に、どこか上の空だった少年の意識がようやく現実へ引き戻されてきました)
……ごめんなさい、楜沢さん。
大物はお任せしますって言っていたのに、僕、必死になってしまって。
エニスさんも……申し訳ありません。
大事な遺跡なのに、周りに気を遣う余裕も無くて…… (無効票)
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楜沢・紺 2021年5月16日
僕こそあんまり活躍できなくってごめんね。
(いつきさんの身体を腕や尻尾でゆっくりキャバリアの掌へ乗せ、紺もそれに続きます)
でも、もう大丈夫だよ。竜はいないし。
遺跡も未だ動くみたいだし。キャバリアだって残ってるんだしね。
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楜沢・紺 2021年5月16日
エニスお姉さんもそのキャバリアがあれば今度からは自分で調べに来られるね。
(そう言って紺はエニスさん、キャバリアの方を見ます。
エレベーターが頂上までやって来ると二人を掌に乗せたキャバリアはゆっくり歩き出し、丘を降りて行くのでした)
「……」

(その間エニスさんは無言でした)
(多少操縦ができるようになって、それに集中しているのか)
(それとも何か違う事を考えているのか、此処からではわかりません)
エニスお姉さん?
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楜沢・紺 2021年5月16日
「――はい、どのくらいの速さが出るか。まだ手応えが分かりませんのでお二人とも気を付けてください」

うん!
(スピーカーから声。どうやらどうにかなったワケでは無い様子です
しかし、どこか元気が無いと言うか、嬉しさはあまり感じられないかもしれません) (無効票)
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雨宮・いつき 2021年5月16日
(キャバリアが歩く振動に揺られながら、少年は空を眺めて……そして、ゆっくりとその目線を自分の手元に落とします。誰も死なせることは無かった。守らなければいけないものを守ることが出来た。そのはずなのに。えもいえぬ一抹の不安が、少年の中に生まれます)

…………エニス、さん?
(スピーカーから伝わってくる声にどこか違和感を覚え、少年はキャバリアの頭部を見上げました) (無効票)
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楜沢・紺 2021年5月17日
「……イツキさん、どうもありがとうございます
遺跡は竜のおかげで多少傷付いてしまいましたが、まだ発掘の余地がありますし。なにより遺跡の本体であるこのクロムキャバリアは無事でした」

(ゆっくり静かに揺れながらキャバリアはしっかりと丘を降りて行きます)

「お二人のおかげでこの辺りの歴史を紐解く事ができるでしょう、本当にどうもありがとうございます」
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楜沢・紺 2021年5月17日
「けれど、イツキさん。貴方は昨日の夜に私がお話した事を覚えて居るでしょうか……?」 (無効票)
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雨宮・いつき 2021年5月17日
(昨日の夜。馬車の中で遺跡についての説明を受けたこと。そして紺くんが眠りについた後、エニスさんと二人でお話をしたこと)
……はい。
(真剣な眼差しで問い掛けられたあの瞬間が脳裏を過ります) (無効票)
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楜沢・紺 2021年5月17日
「そうでしたら。あの術を使う前に、誰かを頼るべきだったかもしれません」

(「でも、あの時お師匠が――」そう紺が反論しようとキャバリアを見上げた所でさらにエニスさんの言葉が続きます)


「もちろん、今回はイツキさんがあの術を使わなければどうなっていたのか分かりません。結果的にその選択は正解だったでしょう」
「でも、次やその次も正解かはわかりません」
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楜沢・紺 2021年5月17日
「貴方が無理をして何かを成そうとすれば、貴方の事を信じる人も同じようにするようになるでしょう」

「コウさんも、弟子だからと言って判断を人任せにしてはいけません。大事な人の無理を止める事に師弟の立場など関係無いのですから――」
(いつきさんの事を言われ憤りかけた紺ですが。自分の事も言われると押し黙ってしまうのでした)
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楜沢・紺 2021年5月17日
「今回はとても素晴らしい冒険でした。ただその一点だけが残念でした。イツキさん、コウさん。わたしはあなた達二人がこの先も無理せず無事に生き抜いてくれる事を切に祈っています」

(エニスさんが話す間にもキャバリアはずんずんと森の中を進み、最初に降りた馬車の元へと近づいてきていました) (無効票)
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雨宮・いつき 2021年5月22日
(貴方は無理をしている、と。貴方はもっと人を頼っても良いのだ、と。彼女はあの時そう言っていました)
(けれど)
(何が起こるか分からないあの状況で二人を確実に逃がすためには、ああして自分一人で対処をするのが正しかったはずだと。あの時、彼は確かにそう思っていました。誰かを頼って……それで、自分の力が及ばずにその誰かを助けることが出来なかったら。人を信じることよりも、誰かを失ってしまうことへの恐怖の方が、少年の中では大きかったのです)

(自分が無理をすれば、自分を信じてくれる人も、同じように無理をする。彼女の言っていることは……きっと正しいのでしょう。少年は思います。自分なんかのために、大切な人に無理をしてほしくはない。けれど、自分は……大切な人たちを守るためなら、なんだってしたい。堂々巡りになる思考に、少年は押し黙ります) (無効票)
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楜沢・紺 2021年5月23日
…………
(馬車の前に付くとキャバリアの手はゆっくり馬車の荷台の前に降りて来ます)

(エニスさんの言う事は間違いでは無いような気もします)
ボクは……お師匠が、友達が危なくなったら!
ボクが助けるよ! だから心配ないんだ!
(でも、だから、そうなら、大事にならないよう自分が頑張るだけだ)
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楜沢・紺 2021年5月23日
反動の大きな術を使わなくったってお師匠は負けないよ
だから、次も大丈夫、ボク達は負けない


「…………」
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楜沢・紺 2021年5月23日
「……そうかも、しれませんね」
(呟くような、自分に言い聞かせるような言葉の後、キャバリアのコックピットが開きます。エニスさんはじっと、紺といつきさんを見ます)

「依頼主が余計な話をしてすみませんでした。私は学園の方へコレを持ち帰ります。イツキさんコウさんとはここでお別れですね。お礼は酒場の方で受け取ってください」 (無効票)
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雨宮・いつき 2021年5月30日
(……嗚呼。どうして自分はこうなのだろう。彼を、大切な友人を。信じて共に戦うと、そう心に決めたはずなのに。自分の目の前で大切な人を失いたくない。失う辛さや悲しさをもう味わいたくない。そんな思いだけが先行して。黙り込んだまま、少年は紺くんの言葉に耳を傾けます)

(……嗚呼。こんな自分を、彼は助けるといってくれている。絶対に負けないんだと、彼は信じてくれている。……自分は、彼の期待に応えることが出来るだろうか。こんなにも弱い心で、この自分には過ぎた大切な友人を守れるのだろうか。こんなにも弱い心なら、いっそ……)
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雨宮・いつき 2021年5月30日
……僕は……

(何かを言い掛けて、言い淀んで。それから、少年はエニスさんを見つめ返します)
……いえ。肝に銘じておきます。
でも……大丈夫です。僕たちなら、大丈夫。
……お役に立てたようで、何よりです。
(ふ、と笑みを浮かべてから、少年は隣へと視線を移して)
……ありがとうございます、楜沢さん。
(その言葉が普段より力無かったのは、未だ残る疲労のせいでしょうか。それとも……) (演出終了)
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楜沢・紺 2021年5月31日
(操縦席から二人を見下ろすエニスさん。
いつきさんの言葉を一つ一つ真剣な表情で頷いて)
大丈夫、大丈夫ですか……。月並みな言葉ですが。
この先も、お二人が大丈夫であるように。
(真面目な硬い表情のまま。二人がキャバリアの掌を降りると
キャバリアは立ちあがり、操縦席が閉まります)

もし、大丈夫ではない時も、それを誰かと越えていけるように。
私はそう祈っています。……それでは。
(そうスピーカーで続くエニスさんの声色は、先ほどよりも柔らかいものに聞こえたかもしれません。キャバリアはふわりと宙に浮かぶと、ゆっくり地面の上を滑るように静かに街道を進んで行ったのでした)
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楜沢・紺 2021年5月31日
(それを見送り、紺は改めていつきさんを見ます)
……こちらこそ。今日は助けてくれてありがとう。

(紺は12歳ですが。いつきさんが何か複雑な感情を抱いて居ることはわかりました。でも、だけれど。
残念だけれど、それをどうにかできるのは今の自分では無い。
とても悔しく残念な事だけど。
それを考えれば、これは敗北なのかもしれないと、そう思います)
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楜沢・紺 2021年5月31日
(でも、そんな感情にまで、負けてはいられない)
(紺は笑います)
なんだか、お腹が空きましたね! 

アックスアンドウィザードの美味しい朝ごはんを食べて帰りましょうか!
(そう威勢よく言うと。少年はイツキさんの背中に回り込み、その押して、共に馬車へ乗り込んで行くのでした)
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楜沢・紺 2021年5月31日
(背中を押された彼がどんな表情をしていたか。それは紺からはわかりません。でも、けれども。
朝日の照らす街道を、妖狐の少年たちを乗せた馬車が進んで行くのでした) (演出終了)
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