問うて己を
百海・胡麦 2020年12月9日
——天井までみっちりと、
電算で打ち出された、白い紙が積み重なる。
明るい、ただただ広い部屋。
ひとつ摘めば、其処には「貴方への問い」。
答えにくいものもあるだろう。そいつはポイだ。
目に留まったら、そうだ、それ。
語ればいい。
名前を変えてみるのも一興だろうよ。
♣︎ 電算機ヨリ ♣︎
※ 診断メーカー様をお借りした自分探しの場所デす。
※ 時折、センシティブなものも出てくるので答えにくい場合はスルーしてくだサイ。
※ 何か有りましたら、ゴ連絡・ご鞭撻のホドヲ。
※ ポイントは、ゴ自身でお好きに計算くだサイ。
*******************************
起きたばかりでね。
寝惚けている、ああ。全部曖昧なわけさ。
だからアタシを思い出すんだよ。
出入りは自由だよ。
アタシや誰かの迷惑にならなきゃ好きにしたらいい。
縁が繋がることもあるかもしれないね。
1
百海・胡麦 2020年12月9日
【目安:600】ね。わかったよ。
さっそく電算や、出しておくれ。(フルネームを入力してみる)
♣︎百海・胡麦さんにお尋ねいたします。「お風呂から上がったら先ず何所から拭く?」「好きな丼料理は?」「告白してください。」
♣︎Q.一番好きな存在は?
百海・胡麦 2020年12月9日
……お前何を聞いてくるんだい、いきなりに。
アタシがそんなこと覚えてたら苦労していないよ?……しかし丼と聞いたら、思い出したことがあるね。あれは肉が、乗ってた。——牛の肉だったかもしれないね。甘しょっぱい味。卵を落とすと、あれは、美味かった。
……なんというんだったかね?
はは。一番好きなのはアタシに決まってるだろ。
(出た賽の目分を足していくよ)
百海・胡麦 2020年12月9日
【合計:1】当然だ。丼じゃあ、アタシの事は何もわからないからね。
だが、今夜の食事が決まったのには感謝しよう。また明日来るよ。
百海・胡麦 2020年12月10日
……電算や。昨日、お前は風呂がどうのって言っただろう?
久々にきちんと鏡で眺めてみたんだよ、アタシをね。
なんだい、これ。
ミゾオチ。腹のど真ん中だよ、穴が空いてるじゃないか。
妖怪ってのは、皆こんな体をしてるんだったかい?アタシの記憶じゃ違うはずだ。やたら腹が空くのはこのせいかい……?お前さんにゃわからん?
そうか。——じゃあ、今日の問いを、聞こうかね。
(また、同じ名を打ち込んだ)
♣︎百海・胡麦さんにお尋ねいたします。「好きな童話は?」「使っているごみ箱の色は?」「好きな動物は?」
♣︎Q.大切な友人の命を救えるとしたら、自分の命を差し出せますか?
百海・胡麦 2020年12月10日
童話か……(一巡り、周りを睨んで見回す。
しかし、霞んだ記憶は揺らぐばかり)
ふむ。ひとつ、思い出した。犬が旅をする話だよ。確か倒すべき仇がいる。なかなかに凄まじい話だった。やたら動物が出て来るんだ。狐や、ネズミ、牛。途中までしか読めなくてね、先が気になっているんだよ。
その話のせいかね。鳥も猫も狸も好きだが、犬が好きかもしれない。
ごみ箱はウチにあったかい?拵えようか。
命?難しいことをいう。友人がアタシにゃ今いないよ?
そう思えるなら、死ぬには惜しい人生だ。
——だが。死ぬのを見る方が辛いだろう。案外、楽かもしれないね。
(笑いながら、賽をふる)
百海・胡麦 2020年12月10日
【合計:15】……ああ、少し思い出せたね。
明晩はちょいと忙しい。だがその次の晩は、きっと来れるだろう。
またな、電算や。
百海・胡麦 2020年12月12日
(深く溜息をつくと)——約束通りだね?
先日話した「童話」だがね。探して、読んでみたよ。
アタシが覚えていた以上に、ありゃあ、激しい話だったね。コドモの読むものなのか?これが「人間の話」なら、何とも思わないんだがね。
動物だからかねぇ?ちいと、応えたよ。
……さあ、今日は何を話すんだ。教えておくれ?
(片方は同じ問いが出た。しょうがない。少し変えて、打ち直す。)
♣︎百海・胡麦さんにお尋ねいたします。「『月』で思い浮かぶものは?」「獣道と舗装されている道、何方が好き?」「部屋のカーテンの色は?」
♣︎Q.人生をやり直せるとしたら、貴方はどうする?
百海・胡麦 2020年12月12日
『月』と来たら、酒と夜だね。月見がしたい。
アンタは極端だねえ?……まあ、獣道かね。人が少ないだろう?
カーテン?そいつはウチにないね。洋間を探してみようか、覚えはないけどね、きっと地味な赤い色さ。
時は過ぎるもんだ。「やり直し」自体が無理だと思うがね。
だが、色々忘れちまったからね、似たようなものか。
強いて並べりゃ。そりゃ、欲しいものを手にいれて、
うまいものを食べて、自由に生きる。今は、そうさね、たっぷり海のモノが入った鍋が食いたい。ぐつぐつと湯気の立つやつをさ。
百海・胡麦 2020年12月12日
【合計:25】……お前、ケチだねぇ。まあいい、今日の答えはそんなもんだろう。また来るよ。たっぷり問いを溜め込んで、待ってておくれ。
百海・胡麦 2020年12月24日
満月が近いね。宵の宴にゃぴったりだ。
しかし、さいころめ、元気がなかったね。こっちで働かせて大丈夫かね。まあ、久方ぶりだ。電算とも話しておきたいんだよ。頼むね?
(カタカタと変わらず紙を吐き出す、電算機。)
お前さんは元気そうだね。安心するよ。
それで、今日の問いは——何になるんだい?
(名前に応じて紙が大きくうねって)
♣︎百海・胡麦さんにお尋ねいたします。「好きなおかずは?」「昼食は何を食べた?」「好きなデザートは?」
♣︎Q.貴方にとって友人とは?
百海・胡麦 2020年12月24日
ふ、今日らしい問いじゃ無いか。お前もよく人を見てるね?
一番は、ふわふわの甘い卵焼きだね。
肉も鍋も大好きだがね。あれが、一番さ。今日の昼は食えなかったがね、食べたのは山菜と焼き魚だったよ。近場にいい場所を見つけたんだ。デザートは迷うね。やはり旬の果物かねえ……?柿にリンゴ……ああ、杏仁豆腐でそいつとぺろりと頂くのもたまらなく好きだね。
友人は、だから、覚えていないんだよ?居たような覚えは、なくも無いがね。霞みがかって思い出せないんだ。まあ、お前とサイが今は一番、アタシを助けてくれているかね。らしくないがね——有難うよ。
百海・胡麦 2020年12月24日
【合計:114】……急にお前まで。照れるじゃないか。そうだね、今日は本当に良い晩だね。欲しいものをよく考えておいで。アタシも考えてやろう。——じゃあね、また来るよ。
百海・胡麦 2020年12月31日
ご覧、今宵は綺麗な満月だよ。
遊んで。ぐっすり休んだからね、少しはアタシの「頭」も刺激されたろう。思い出す事も増えないかい?
(——溢れ出る紙と文字)
電算や、お前は働き者だね。今日も頼むよ?
(ひと撫ですると、片方また同じ問いが出た。点を消してやればぐるりと変じ)
♣︎百海・胡麦さんにお尋ねいたします。「大切にしたいものはある?」「虹の橋のたもとにはなにがある?」「演奏出来る楽器はある?」
♣︎Q.貴方にとって一番大切な出来事はなんですか?
百海・胡麦 2020年12月31日
大切、ね。アタシの揃えた道具は皆、大事だが。
できれば、役立つままで居させてやりたいね。お前たちもその方が楽しいだろう?ま、その為にも「アタシ」かね。
——アタシが消えたら此処は回らなくなるだろう?
虹の橋、そんな話もあった気がするね。
アタシは茶店がいい。虹は大きいだろう。渡りきったら喉が乾くよ。ゆっくり座って味わうのさ。これだけの道を来たってね。
楽器は……覚えがないね。本当に。ふむ。三味線なら向こうにあったが——なんだね。鼓でも扱ってみるかね?
大切。起きてからは、この間の散歩かね。
久々に随分と人を見た。妖怪の端くれだからね、やはり姿を認識される事は嫌いじゃない。なによりね、楽しい晩だったよ。
昔の事は、そうだね。探ってみるとしよう。——大切。あるはずさ。
百海・胡麦 2020年12月31日
【合計:131】はは、またいつも通りのお前さんだね。分かってる、ちゃんと思い出して戻れというんだろう?忘れたフリなんかしないよ。今夜は冷える。暖かくしておこう。——時間をおくれ。また来るよ。
百海・胡麦 2021年1月7日
さて、そろそろ日が昇りそうだね。
電算や、ちょいと賽のやつに休みをやりたくてね、挨拶が遅れて悪かったね。元気だったかい?お前さんも寛げたんなら良かったが。
百海・胡麦 2021年1月7日
ほどほどってところかい?
今度、お前さんにも何か考えるかね。油は持ってるが差しておくかい。おかげで大分頭もはっきりしてきたからね。感謝しているよ。
嗚呼「大切な出来事」だね。思い出す約束だった。
ちぃとばかし、長くなるよ?いいかね?
……そうさね、港に長く居たのは思い出したんだ。
船で誰ぞに付き添って来た、あ、当然だがアタシは若かったよ。見た目はさして変わらないが。
その港でね、ひとつ、気に入りの店があったんだよ。
舶来物を扱った、趣味に寄った店さ。アタシは外から来たんでね、珍しいこた無かった。郷愁ってやつだね。寛ぐわけさ。
そこになぜか、その島伝統の古風な細工が棚に置いてあってね。舶来の店だというのに店主の趣味だね、ありゃ。
それをまあ、気張って譲って貰ったんだ。気に入ってね。
大切——どの位か今のアタシには分からないんだが、
それが、一番思い出せたことだ。……大切なんじゃないかね?
さて、問いに答えるよ。
百海・胡麦 2021年1月7日
♣︎百海・胡麦さんにお尋ねいたします。「今朝 起床して先ず何をした?」「『Like』と『Love』の違いは?」「蒐集しているものはある?」
♣︎Q.過去を変えられるとしたら、何を変える?
書き物と、あれだね、さいころのやつを起こしたよ。
……布団を下げた方が先だったかね?
なんだろうね。人か物かにもよりそうだが。まあ、Loveの方が多少、責任というのかね、面倒をみてやろうって気持ちが増えるんじゃないかい。
Likeは気分と印象でころっと変わるだろうよ。
蒐集は、アタシの楽しみなんでね。まあ、境なくやってる方だね。
主に骨董や布、道具が好きだが。あまり生き物だのは少ないね。妖怪じみた道具ならたくさんいるよ。
思い出せる限り、今は大きな不満もないんでね……
強いて言うなら抜けちまった記憶かね。探るのも楽しくなって来たところだが、何かワケがあるなら何とかしたいよ。
こんなところで、どうだね?
百海・胡麦 2021年1月7日
【合計:225】大盤振る舞いじゃないか。苦労して思い出した甲斐があったってもんだよ。いや、やはり気分がいいね。嬉しいよ。
それじゃあ、次は電算に何かを考えてこようかね。何がいいか……ちょいと待っておいで。また来るよ。
百海・胡麦 2021年3月16日
(——細く筋に光る月。太り始めるには日が浅い。
門灯たちに照らされて。荷車を引き、久々に此処へと辿り着いた。
冬の間に届けられなかった。元気にしているだろうか。)
……電算や。久方ぶりだね。
約束をしたのにね。ずっと留守にして悪かった。調子は、どうだい?——うん、此れかい。そうお前にあげようと思ってね、蔵から出してきた木机だよ。高さがあってね、鍵も、かけられる。
寝床にどうだろうかと。
——そう。好きにしてくれると嬉しいよ。問いを見せてくれるかい?
百海・胡麦 2021年3月16日
(いつもの名では、見覚えのある文字が並んだ。嗚呼、これも懐かしい。噛み締めながら、ひとつ点を抜いて遣る——)
♣︎百海胡麦 さんにお尋ねいたします。「持っている服は何色が多い?」「好きな天気は?」「蚊に刺され易い?」
♣︎Q.死人とまた会えるとしたら、誰と会いたいですか?
百海・胡麦 2021年3月16日
難しい、問いだね。
(日を重ねて、人と逢い。此の子等のおかげで、欠けた記憶はひとつ一つこの体に戻りつつある。それでもまだ霧の中、断片でしかない。また探し、踏み、確かめてゆくしかない。)
服は、淡く霞んだ色のものが多いかね。
鮮やかなのは、小物に依る。近頃であれば、茶や緑を含んだ優しい色合いものが重なった……どんな色の服も、それぞれ。好きだがね。
好きな天気は、“晴れ”に決まってるよ。昨日のようなね。
蚊……?ふむ。炎のせいか。経験が少ないね。
死人か。……ひとり。
先日、良き人と話した際に、思い出した者が居る。
あれが死んでいるのか、生きているのか。アタシにゃ分からないよ。
ただ、もし死んでいたとしたら、そうであるかもしれない。
寂しいというよりね。……また勝負がしてみたいのさ。
腹の立つ、好いヤツでね。
……さて、どうだろうか?うん、その戸が床になる。どうだね?
百海・胡麦 2021年3月16日
【合計:312】ふ……はは。ずいぶんと気前がいいじゃないか。
良かった、機嫌が良さそうでね、アタシも嬉しいよ。
……目安は600であったかね。
嗚呼、またすぐ来るよ。お前と話せてね、懐かしくて涙が出そうだ。
また寝込むような真似はするまいて。また今晩、来るよ。
門灯たちも、賽も。ありがとうよ。
——さ、寝床に送ろう。ゆっくりお休み。
百海・胡麦 2021年3月16日
さて、今日は約束通り。来れたよ。
……戸の中は少しは心地が良かったかい?
鍵はお前に預けるからね。眠りたい時はゆっくりするといい。
(手を浮かせて、暫し考える。)
そういや、今日はいつもの名を、使ってしまったね。
何と頼もうか。……時折、呼ばれる音にしようか。
(カナで、名前を短く託す。——出てきたのは、この問い。)
♣︎コムギさんにお尋ねいたします。「犬が目の前にいたら如何する?」「いつもポケットに入っているものは?」「好きな乗り物は?」
♣︎Q.自分という存在をどう思っていますか?
百海・胡麦 2021年3月16日
犬か。好きな生き物だ。
まず立ち止まって。目を合わせようか。
怖がるか、許すか。それとも主人のことを気にするだろうか。
吠えるやつは少ないけどね、怯えるなら静かに離れてやろう。
遊びたがるなら存分に。アタシは、好きだからね。
そうだね。特にこの季節、懐に入れるのは温石だ。
炎を使うとね。指が冷えるんだ。……きっと力が偏るのだろう。
だから、余った熱を石に溜めてね。補ってやるんだよ。
乗り物といや、箒があるよ。
一番好みなのは、馬だろうか。
疲れさせてしまうから常に頼れないが。荷車や、遠乗り……あの子等と共にする道は楽しいね。アタシかい……?
厄介だが、まあまあ好きだよ。
……今晩は、生き物の話が続いたね。さ、どうだろうか?
百海・胡麦 2021年3月16日
【合計:346】——うん、程よい処だね。
少し己が見えてきてね。戸惑いも減ってきた。きっとお前のおかげだよ。次は少し間が空く。だが、またすぐ訪ねるからね。待ってておくれ。
百海・胡麦 2021年3月28日
ここはカクリヨに置いたままにしているが……
座敷を動かした影響はあったかね?電算や、そこの寝心地はどうだい?
ふむ、お前も連れて行きたいがね、ちょいと足が足りないんだよ。
暫く前よりは、こまめに覗くからね、
足ができるまで見逃しておくれよ。うん、じゃあ、また問いをくれるかい?
(今宵は、いつもの名をそのままに——歯車のかち合う音が空に響く。)
♣︎百海・胡麦 さんにお尋ねいたします。「好きなお菓子は?」「コンプレックスはある?」「フィンガースナップは鳴らせる?」
♣︎Q.これだけは譲れないということは?
百海・胡麦 2021年3月28日
……いくつかまた迷うねえ。まあ、それでこそか。
お菓子は簡単だよ。金平糖さ。なにせ賽の好物だからね。
買い求めるうちに口にして。食べずとも手元にないと不安なくらいさ。
指で音は鳴らせるが、『口笛』が少々苦手だね。
やたら遠くまで届かせる御仁がいるだろう。どうやったらああ鳴るんだい?
コンプレックス……敢えて、問われると……思いつかないね。
あるよ。おそらく山ほど。そう愛らしい性質ではないからね。
うむ。ううむ。
そうだね、まず……『道に疎い』。だから地図が手放せないんだ。
あとは、今は何ともないがね。幼い頃は、このうねる『髪の扱い』に弱り果てた。
伸びるとね、好き勝手に跳ね回るうえ、無理に結べば重くてね。
大方切っちまえるようになって、楽になったよ。
譲れないこと。多くのことがだが。——これだけ?
うまい飯と、良き道具に囲まれることだね。
……こんなところか。今宵は柔く軽かったね。いかがかね?
百海・胡麦 2021年3月28日
【合計:358】お前は素直で、本当に面白いよ。
アタシもそのあたりの塩梅だね。あとは、足か。何がいいかね。
それについてはゆっくり考えさせておくれ。また来るよ。
百海・胡麦 2021年4月4日
今日は陽が少し涼やかで、肌寒いが過ごしやすいね。
電算や、其方はどうだね。足?足はね、見繕っているところだ。
お前の好みがあれば、教えておくれよ。
では、今日も問いを貰おうか。
名は……そうだね、何時ものままで良さそうだ。頼むよ。
(新しい巻紙を吸い込むと、楽しげに文字が吐き出された。)
♣︎百海・胡麦 さんにお尋ねいたします。「いつも何時に就寝する?」「言われたら嬉しい褒め言葉は?」「歩いて何所迄ゆける?」
♣︎Q.どんな家に住みたい?
百海・胡麦 2021年4月4日
いつも……冬は、割り方、早く寝て起きる事が続いたね。
だが、定まらない。
気まぐれと約束がなけりゃ早いよ。夕刻にころりと寝たりする。
慮られれば、大抵が嬉しいよ。
すでに成したことを褒められるのは至極気分がいい。
ただ能力というのかね。なにができる、うまいってのは時折迷うよ。
言葉は面白いよ。
己が口にすると歯が浮くようなものも、人が発すると違って聞こえる。心安んじる相手なら、何気ない話まで嬉しいからね。単純だ。
……道具は、褒めれると取られやしないか、心配になるがね。
お。道には疎いが、足には自信があるよ。
5里程の行き来は近い方だからね。半日ばかし荷物を持って歩き回ると、さすがにバテる。……腹も減るからね。
住処は、今ので満足してるよ。庭も広く、蔵も十分に。
ほどほど手も入れて、門灯たちが支えてくれる。——いいだろう?
……さて。それなりに絞り出してみたが。今日はどうだね?
百海・胡麦 2021年4月4日
【合計:377】ふむ。ちょいと此れでは足りないか。
まあいい。ゆっくりと進もう。足はね、物と生きもの。どちらがいい?アタシは生き物のほうが好みだがね、何かと気遣うだろう?新しい遊び相手が増えると思ってくれるだろうか。……ではね。また来るよ。
百海・胡麦 2021年4月12日
さ、茶を飲んでいたら、日を跨いだね。
……べっこう飴ってのは、素直な味なんだね。自ら求めた事がなかったよ。色が綺麗でね……、奇を衒った味かと思ってた。面白いね。
電算や、元気かね。今宵はちょいと冷えるが、
その机だけで足りてるかい?春と油断しているが、毛布1枚じゃ
ちょいと心許ないだろう。ひとつ薄がけを持って来たよ。
——うん、ではね。問いも貰おうかね?
(今宵も打ち込むのは、いつもの名。巡りも落ち着き、この日が楽しくなってきた。……この子も、心なしか滑らかに紙を吐く。)
♣︎百海・胡麦さんにお尋ねいたします。「貴方が考える最大の償いとは?」「人の名前を覚えるのは、得意?苦手?」「好きなラーメンのスープは?」
♣︎Q.自分の存在価値はなんだと思う?
百海・胡麦 2021年4月12日
……何に対する償いかね?
約束を少し違えたりなら、最大と言わなそうだ。
自ら決めて、償えることなど、アタシ如きに無いと思うよ。
ぶつけられ、我が身を守るか、受け止めるか。
物事と関わる人次第。……相手を見て、求められて決められる事でなかろうか。過ちを犯した時に相手を癒す心得など中々……謝り、省みる位しか。
命はやれない。足を留めて聞くことはできるかもしれないね。
名は……忘れることがある。
まつわる事象は人より覚えていることがあるよ。ただ……気長でないと、そこまで辿り着かないのが問題でね。
おや、何処で聞いたんだい?どれも捨てがたいが、塩だね。
価値。……こむずかしいことを聞くね?
食って物事を知り、遊びたい。欲の皮が張ったアタシには
己にとって、周りがどうであるかの方が大事でね。
軽んじられれば腹も立つが……
その御仁にとっちゃそういう価値だ。肩肘張っても変わらないだろう。諦めるさ。
……嗚呼、悩んだよ。どうだね?
百海・胡麦 2021年4月12日
【合計:381】……お前さん、ここまでケチなのはいつぶりだね?(耐える笑いに肩を震わせながら)コホン。——うむ、わかってるよ。こむずかしい話はアタシに向かないんだよ。
次は気楽に語れるといいね。
ん、塩ラーメンはね、野菜と肉の種類で味がずいぶん変わるんだよ。
それが面白くてね、試す内に好きになったんだ。
——ああ、足のことかい?
まあまあ、目星をつけたよ。きっと気に入るよ。楽しみにしておくれ。
百海・胡麦 2021年4月16日
すこし、ねむくてね。湯浴みをして呆けているところなんだよ。
しかしそろそろ、例の品を頼みたいからね。……電算や。お前の顔を見てから向かおうと。粗相があってもどうか見逃しておくれよ……?
きっとね寒い日にも暑い日にも、頼りになるやつさ。
さて、うん。名前だね。いつもの名は……うむ、似た問いだね?
では。(慣れた動作で、点を除く。カタカタと心地よい音。
——なんと賢い道具だろう。朧げな頭に、そんなことが浮かぶ。)
♣︎百海胡麦さんにお尋ねいたします。「昨晩見た夢は?」「死よりもおそろしいことは?」「似ていると言われる動物の真似をしてください。」
♣︎Q.一番好きな存在は?
百海・胡麦 2021年4月16日
夢……これからの方が何か見そうだが。
ううむ。なんだったかね。人が出た夢だった。昔おそらく逢った人だろう。生意気で怖いもの知らずなヤツだった。けれど、なにか怖がっていてね。暗い屋敷で炎を檻に灯していた。何をしていたのだろうね。
年の頃はたぶんアタシと変わらない。変わった羽織を着ていたね、気の強い人間さ。……ああ、今はもう同じ姿ではないかもしれない。
何でもあるよ。食えないこと。頼るものが隠れること。
考えるだけでも苦しいよ。
似ている……昔そういえば——
いや、アタシがそれを、しろと?勘弁しておくれよ。
ああもう。お前を待たせたからね……誰にも言うんじゃないよ。
近くに寄るよ。——そう耳をお貸し。 ……ワン。
思い出したよ。その問い。前にも答えたね。
アタシだと。今も。そうだね、同じだが。
関わるこの世界ごとになったかもしれない。……欲が増したね。
ああ、もう。いいよ、お前の好きに判じておくれ。
百海・胡麦 2021年4月16日
【合計:388】よし。その代わり、絶対誰にも言うんじゃないよ。はあ、……だがまあ、おもしろいことも思い出した。前よりゃ楽に話せたかね? じゃ準備をしてくるよ。ゆっくりとお休み。また後日にね。
百海・胡麦 2021年4月21日
よい晩だね。今宵は約束を果たしに来たよ。
この間?忘れたね。……そういう約束だったね、電算や。
そうだよ。
お前も共に運べる子を探して来たよ。
ほれ、こいつだ。——うん、“虎尾”と呼んでるよ。
面白い処で逢ってね、随分と力のある大きな強い足を持つ。
四角い盆と紐でね、席を作れば、
お前ひとりくらい運べるだろう。もちろんアタシも一緒だよ。
https://tw6.jp/garage/item/show?item_id=153581
さて。席を作りながら、
話をしようか?今宵は何について話すかね?
(素直に名を伝える。ああ、最後は見覚えがある。
だが、まあ好い。今宵はそのままに)
♣︎百海・胡麦さんにお尋ねいたします。「朝焼けと夕焼け、好きなのは何方?」「世界を二つに分けるとしたら、何と何で分けられる?」「切った林檎は、酢水に浸ける?塩水に浸ける?レモン水に浸ける?」
♣︎Q.貴方にとって一番大切な出来事はなんですか?
百海・胡麦 2021年4月21日
朝焼けかね。
夕焼けも、何となく眺められる日には好きだよ。
だが、どうも急かされる。ならば、星空が待ち遠しい。
……朝は人も少ないせいか、世界が庭になったように感じるのも好いよ。
流れだと、昼夜。と答えたくなるね。なんだろうか。
……海と空かもしれない。隙間でアタシらは生きてるよ。
塩水。たいていの場所で、作れるんでね。
レモンは菓子を作るときくらいだね。色は鮮やかになりそうだ。
はちみつなんてのも、聞くね。
前は、古風な細工物を手に入れた時と答えたはずだ。
あれも間違いなく大切な事だ。しかし近頃、別のこともちらつく。
一番は……今、決められる事ではないのかもしれない。
ただね、コムギという、名をくれた人のことは思い出したよ。
先の彼奴を迎えに行った時にね。
どちらが大切なのだろう。
……今があるのは、共にそれらがあってのことだ。
わかる日が来るといい。
しかし今宵は未だ。
電算や。だいぶアタシの記憶もはっきりしてきたね?
百海・胡麦 2021年4月21日
【合計:482】……お前の素直さにはアタシはいつも驚かされるよ。いや、本当に待たせてすまなかったね。ほれ、話してる間に席が繕えた。立派な席もまた作ろう。まずは、ちょいと散歩に行こうかね。
百海・胡麦 2021年4月27日
……ふう。この間は随分と遠乗りしちまったね。
お前はどうだい、疲れは残っているかい?
さいも眠そうなんでね。手短に済ませるよう、努力するよ。
さあ、問いをおくれ。
(今日も流れるのはいつもの名。
この音は何度聞いても心地が良い。紙がするりと伸びる。)
♣︎百海・胡麦さんにお尋ねいたします。「宝箱の中にはなにが入っていると思う?」「お風呂では歌う方?」「今 一番欲しいものは?」
♣︎Q.幽霊と会えるとしたら?
百海・胡麦 2021年4月27日
さいのやつも不思議なんだが
お前は時折、アタシの心を見透かしてるようなことを言うね?
宝箱の中身は勿論、
アタシの好きな古風な道具と、金銀財宝だろう。
できれば、まじないのかかったものがいい。
人の術を見るのは面白いからね。ちょいと遊ぶのも一興だ。
……歌、うむ。たぶん諳んじることはあるね。
ただどちらかといえば、景色を眺める方が好きだろうか。
そうだね。風を集めて籠める術が欲しい。
今の晩のこの風が、好きなんだ。月の光ごとお願いしたい。
幽霊。
今のところ、死んだ奴に心当たりは少ないからね……
とりあえず酒でも呑み交そうか。
化けて出るんだ、妖と差はないだろう?
もし、飲み食いができないのなら、ちょいと気の毒だ。
なにか術で持て成そう。そして、あの世の話を聞かせてもらいたい。
……うん、話すうちに、幽霊ってのも逢ってみたくなったね。
そこいらの妖怪とどう違うのか、聞いてみたいよ。
——さいと、電算や。お前たちは、どう思う?
百海・胡麦 2021年4月27日
【合計:538】まあまあ、というところかね?
じゃ、その機会にゃ案内してやろう。これだけ世界が広がっているんだ。幽霊が集まる場所くらいあるだろう。……楽しみだね。
ではね、ゆっくりとお休みよ。少し開けて、また来るよ。
百海・胡麦 2021年5月2日
よい晩だね、電算や。
そろそろ目安の頃合いが近いが……どうなるかね?
どちらにせよ、今宵からしばらく付き合ってもらうよ。
周りが騒がしいだろう。……そう、どうやら暴れ始めたそうだ。
だからね、お前も共に行かないか。
こんな時に留守居じゃつまらんだろう。
ではね、せっかくだ。出かける前に問いを聞こう。
何を答える?
(いつもの名に応える音は、心無しか鋭かった。)
♣︎百海・胡麦さんにお尋ねいたします。「「生きている」とはどの様な状態?」「好きなポテトチップスのシーズニングは?」「賞味期限が切れたものは、食べられる?食べられない?」
♣︎Q.一番悲しかった出来事は?
百海・胡麦 2021年5月2日
……本人がそう言うなら、そうなんだろう。
アタシら妖怪は、
皆、人や動物と同じ仕組みで動くわけでないからね。
心の臓や呼吸じゃ、しるしにならない。
人間も心が死ねば、尸同然、などと云う御仁もいる。
アタシなら、意識がありゃ生きてるね。
……そういう意味じゃ、骸魂のやつらは気の毒だよ。
ま、危害を加えりゃ対処されるのは常だ。しようがあるまい。
シーズニング……?味ってことで合ってるかい?
あまり口にしたことがないね。向こうじゃ手に入りやすいんだね?
一度試したのは、酢の物の味がした。
和菓子に無い味を試してみたいね。
賞味、特に痛みやすいものでなけりゃ気にしないね。
何かと和えるさ。
また“一番”か。
こんな性格なんでね、嫌なことは忘れやすいんだ。だが……ふむ。
ごく普通のことだね。向こうで、親と思う人が世を去った。
若かったんでね、ちょいと受け入れ難かったよ。
なんだか湿っぽい話が続いたじゃないか。
景気のいい話はないのかい?
百海・胡麦 2021年5月2日
【合計:558】この話で仕舞いには、ね。心得たよ。
ちょうど今は、井戸を辿れば“向こう”にも行けるって話だ。
ポテトチップス……だね。寄り道できりゃ食おうじゃないか。
気に入りが見つかるといいね。では、行こうか。
百海・胡麦 2021年7月18日
さて。さいも元気が出たようなのでね。
……試してみようか。電算や。戦の折には世話になったね。
其方はこの暑さはどうかね? 今、移る場所を思案しているんだ。
水のあるところ、静墨や虎尾のことも考えると
影のある場所がよかろう。お前はどのようなところが好きかね?
湿り気は多分、苦手だろう……?
——ん、その前に問いだね。どうだろう。
今日は何に答える。教えておくれ。
♣︎百海・胡麦さんにお尋ねいたします。「愛する事と愛される事、容易ではないのは何方?」「擽られると弱い所は?」「0と1、好きなのは何方?」
♣︎Q.過去に戻れるとしたら、いつに戻りたいですか?
百海・胡麦 2021年7月18日
ちと面倒な話だが、簡単だね。愛でることは簡単だよ。いつも気にかけているだろう。……静墨は術を使いすぎたアタシを冷やしてくれたし、さいやお前は常に助けてくれている。虎尾も小雪も、皆。
比ぶるのが難しい。もっと返してやりたい。
……あまり覚えがないよ。
己は警戒が顔に出るし、炎も使うからね。首とかじゃなかろうか。
1。
在る方が好きだ。さしたる理由は無いよ。
変えられるとすれば、という問いはあったが、
戻れると来たか。
——真面目に答えるとすりゃ、到るまでを僅かでも多く覚えているのは今のアタシの有利であるから、無い。と答えたいがつまらんかね。
やはり、彼の人の居る子供の頃か、海を渡ってすぐだね。
目にする全てが真新しく、愉しかった。
人も育つ処が違えば斯様にさまざまか、と驚く事が多かった。
しかし気が合うひとも居て。
……物集めの味を教えたのは渡った先の人間だからね。
うん、また味わいたい。動きたいね。さて、どうだね?
百海・胡麦 2021年7月18日
【合計:629】気持ちの好い数を。さいや、ありがとうよ。
いや、長くかかったね。でもとても助けられた。
頭もすっきりと覚めてね、忘れて居ることもあろうが嬉しいよ。
では、電算や。一旦ここは閉めようか。
お前を置き去りはしないよ、寝床としては残しておくが。
虎尾の背に、せっかく席を作ったんだからね。
屋敷の方で仕事を忘れて楽しむと好い。おつかれさまだよ。
共に参ろうか。——遊びたければ、印字を交え戯れよう。
それでは、何れまた。
♣︎♣︎♣︎♣︎ 【〆】