美しき
金原・子夜乃 2020年9月28日
今日その時、その道を通り掛かったのは偶然で、しかし子夜乃の背を押す風はあんなに力強くて、しかしその背を越して屋台に並ぶ風鈴を撫でるように過ぎてゆくさまはまるで軒先より招く手弱女の指先のようでした。
短冊が揺れて、澄んだ音が鳴る。
その音にハと言葉を取り戻した子夜乃は、当然行く先を色彩絢爛を吊るす屋台へと変えました。聴き慣れない音、見慣れないかたち、目を惹く揺れるもの。どうぶつみたいな好奇心を持って、窺うように見上げます。
屋台と言っても其処は所謂店主がいるだけの本体に当たり、店は両翼を広げるように風鈴を飾る木枠を備えていました。
風が吹くたびそれらがりんりん、しゃらしゃら、ちりちりと音を立てます。音が鳴るたび短冊が揺れて、それを律儀に追って緑色の眼差しがあっちへいったりこっちへいったり。閑古鳥の鳴く店に、その背は何とも落ち着かなく見えたでしょう。
また、誰かを招くような風が吹きました。
(金原・子夜乃)
(蘭・七結)
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金原・子夜乃 2020年9月28日
(吹きつける風を今度は気にも留めず、短冊のはためくさまを見つめていました。一斉に踊り、一斉に鳴るさまはどうにもそのひとつひとつを認めることを難しくさせましたが、向き合う表情はまるで品定めでもしている風です。澄んだそれぞれの音が止んだ今も、その観察に飽きもせず。美しい硝子細工に見惚れていました)
蘭・七結 2020年9月29日
( うすい玻璃を奏でる風は、桜の世に彩を添えつづける薄紅の片たちまでもを攫ってゆく。――りん、ちりん、しゃらり。揺すれる度に響き渡る音色は、数多の風鈴たちが一斉に歌い出したかのよう。涼やかな声音は心地よくて、切り揃えた横髪に隠れたとがり耳へと触れていた ) ……あら、( 高鳴る鈴の音に寄せられるように歩みを運んで往けば、じいと眺めて留まっている、あなたの横顔を捉えた。何処かで見かけたような、と首を傾ぐ )
金原・子夜乃 2020年10月8日
(そのとき子夜乃は、「あら」と鳴る、毛色の異なる風鈴を探していました。その音は他のものに比べると少し低くて、まるでぶつかって鳴ったとは思えないくらいに柔らかく、そして控えめな。響き渡るでもなく、けれど確かにこの胸に残るような―――…そんな音です。風鈴の音色ばかりの頭の中に混じったあなたの声は、自然と風鈴の音としてフォルダ分けされてしまったようで) …………、 (なので、それを探して視線を別の柵に巡らせたとき。春の色をしたあなたとひたと目が合って、まるで眸みたいに動作を止めました)
蘭・七結 2020年10月12日
( まあるく縁取られた緑玉にうつる風鈴のいろは、如何なる彩が宿るのだろう。微かな興味が心の底へと留まって、あなたの双眸をじいっと眺めていた。――ちりり、しゃららと風鈴が歌えば、色なき風が頬を撫ぜてゆく ) ………、 ( 視線がぶつかり、交わって、移ろうことのない見つめ合いの幕をひらく。透きとおる緑の眸を覗いたのなら、ふかい底へと吸い込まれるかのよう。ぱち、ぱちと瞬いて、結いだままの唇をひらいた ) ………こんにちは? ( 風鈴たちが一斉に首を傾げたかのようだった。ふたりの間に、音色の橋が架けられる )
金原・子夜乃 2020年10月26日
(あなたが瞬きをすると、緑の眸も。同じ時を共に過ごして、そしてみるみる大きさと丸みを増していきます。目の前の、花びらみたいなあなたが何者かに気付いたから) ……………コンニチハ。 (風鈴に頭をぶつけないよう、髪を押さえながら小さく頭を下げました。挨拶は大事です。風の足音みたいに鳴り散る風鈴たちが落ち着くまで、次の言葉はそっと待って) ……子夜乃は、キンバラシヤノです。ええと、……お逢いしたことが、アリマス。前、英さんと一緒のときに、 (あなたは憶えていてくれているだろうか。自分の顔を指差すようにしながら)
蘭・七結 2020年11月3日
( うすいろの花びらを乗せた風が止む。風鈴たちのおしゃべりが落ち着くと、再び紡がれたあなたの声音へと心を傾けた。硝子玉のように透明な、円かになされた緑彩の双眸。まなうらに残る鮮明ないろには、見憶えがあって、) ……まあ、( あなたを顕とする名、知らぬもの同士を繋ぐ桜の架け橋。かつての出来事を想起すると、ぱち、ぱちと瞬きを刻んでいた ) ええ、憶えているわ。シヤノさん。シヤノさんと、おっしゃるのね ( 焼きつく彩に名をかさね、あなたと云うひとりを綴ってゆく ) わたしはなゆ。蘭、七結。……とても、キレイないろどりね。こうして、風鈴を眺めていらしたの? ( そうと首を傾ぐ。ちりり、と鈴音が耳に触れた )
金原・子夜乃 2021年1月4日
(まずは、憶えていてくれたことにちょっとした安堵をしました。それが表情に現れて、固まるように丸まっていた眦が僅かに和らぎます) なゆ、サン。七結、せんぱい。……あっ、ハイ。ええと、…子夜乃はこうやって、たくさん風鈴が売っているのって見たことがなくて。そう、…きれいだと思った ん、デス。音も、 (思い出す音と、光景と。それはこの風鈴らだけで奏でられたとは思えないような幻想的なものだったので、何だか夢でも見ているような心地になって、ひとつ呼吸を飲み込みました。吐くとまた、音色) …聞いたことのない音だったから。こんなにあると、なんだかすごい。
蘭・七結 2021年1月30日
まあ、せんぱい ( 名に添えられた敬称にはた、はたと瞬いて。和らぐ眦に連られるように双眸を細めてゆく ) そのまま呼んでくださって、構わないのよ。……嗚呼、けれど。シヤノさんの呼びやすいものが、一番かしら ( せんぱい、含まれた声音が裡を擽るような心地がした。けして不快などではない、不思議な感覚だ ) ……あら、そうだったのね。わたしも、ここまで多くの風鈴が並んでいる光景ははじめてかしら。 ――きれい。キレイね。硝子たちが持ついろどりも、音色も ( 紫彩を移ろわせ、浮かぶ金環の内に薄い硝子たちを捉う。――しゃらら、しゃらら。かろやかな音が連なって、一度きりの音楽を奏でるかのよう ) もう一度お会いできて、うれしいわ。シヤノさんは、この辺りにお住い?それとも、よく遊びに訪れるのかしら ( 耳に触れてゆく玻璃の音を感じながら、ひとつを問うて )
金原・子夜乃 2021年4月28日
(薄紅のあなたが透る音に包まれるのを見ると、子夜乃は何だか知らない何処かに迷い込んでしまったような気持ちになりました。神秘的だと表現出来ることばも知らず、ずうっと見惚れていて) ア、――――ううん。子夜乃は、猟兵で。別の世界から、此処に来てるんだ、デス。…この世界でも珍しいのか。でも、よく見る。あの、 (いつもよりも言葉が見つからなくて、ああもうと自分の額をコツリとやって。その手で、向こうに見える軒先を指差します) ……あの辺に、吊るされてるの。綺麗だなって思ってた。 (まばたきと、深呼吸) 子夜乃も、せんぱいにまた逢えてうれしい。七結せんぱいはその、きっと子夜乃よりもジンセイケイケンが豊富だから。子夜乃、最近こうやって外を出歩けるようになって。全然、知らないことばっかりなんだ。 (今だって、挙動不審だ。自覚があって、眉根を下げ) だから、いろいろ教えてほしくて。せんぱいって、呼んでる。
蘭・七結 2021年5月11日
( じいっと見留めていた緑玉が移ろう。指のさきが向かう先を手繰るように、紫の視線を走らせた ) ……まあ、そう。世界の、と言うことは、あなたも猟兵のひとりなのね。――わたしも、おんなじ。常は極夜の世界に住んでいるの ( 長くて深い呼吸にかさなるように、風鈴の音が鳴った。吸い込まれそうな眸を、もう一度見やる ) しらないことばかり、 ( あなたの言葉を、この唇が象る。音を乗せたのは無意識だ ) しりたい、と。そう思うことは、とてもステキなことだわ。……今の、今のシヤノさんは、如何なることをしりたいのかしら ( 伏せがちな紫彩が、そう問うた )
金原・子夜乃 2021年5月17日
む、――――…そう。子夜乃は猟兵で、……猟兵なんだけ、ど。へっぽこ猟兵だから、あんまり名乗ってない。UDCアースってところに住んでいる。 (ご指摘いただいたのなら、否定せずに素直に首肯のさまを見せましたが。それでもその表情には苦いものが混じっていて、如何にもそこには負い目が現れています) でも、先輩も猟兵だってことより、此処の暮らしではないなんてちょっとびっくりした。服、この世界でよく見るやつ、似合ってらっしゃるから。 (風鈴ではなく、じっと見つめるのはあなたの姿でした。何処からどう見てもこの世界に馴染んでいるようにしか見えなくて、見つめる眸は少々無遠慮だったかもしれません) 今はね、折角だし、先輩も風鈴買うのかなあ、って。風鈴の良し悪しってなんだ?とか。いい風鈴の見分け方とか、あるなら知りたいと思ってる。
蘭・七結 2021年6月6日
……そう、常は現代の世界に ( 自身が座する常夜や、今現在、踏みしめている桜の世ともたがう、最先端の知恵に溢れた世界。UDCアースには、その様な印象を抱いていた ) ――あら、ふふ。ありがとう。元々は、此処とは異なった和国に住んでいたの。和の衣を纏うのは、その名残りで。……だから、お言葉がうれしいわ ( りいん、と。軽やかな玻璃が鳴る。見留めた先の薄膜には、繊細な薄紅模様が咲いていた。そうっと、手を伸ばそうとして ) よいわね、それもステキだわ。……善し悪しは、如何でしょうね。最出た目利きではないけれど……とびきり目を引かれたもの、うつくしい音だと感じたもの。それが、自身にとってのいっとうなのだと感じるわ ( 直接、硝子には触れず。導いた指のさきで、空の輪郭をなぞった )
金原・子夜乃 2021年6月13日
自分にとっての、いっとう。 (自身の裡に落とし込むよう、子夜乃はふむとひと息吐きました。なるほど、それはとても簡単そうに思えます。特に子夜乃には学がありませんでしたから、それが必要ないと聞くや改めて風鈴たちへと向き直り、眺めて、見て、睨んで、) ――――…思ったよりむずかしい。だって、どれもきらきらしてて目を引かれるし、うつくしい音がする。くらげみたいだ。 (柔らかくないか触れかけて、あなたの指先を見て自分の黒い指先もそっと引っ込めました。商品にみだりに触れてはいけない。今更思い出して、自分の頬を掻きました) 七結せんぱいはそれがいっとう?…ですか?それもとっても綺麗だ、さくら―― じゃ、なさそうかな。この世界のさくらは、ちょっとパワフルだから。 (その薄紅色は、どちらかと言えばあなたのような色をしていると思って。…ああ、違う世界のひとなんだなと。それも、子夜乃は納得しました)
蘭・七結 2021年6月20日
( あなたの言葉に心ごと傾けながら、桜世の宙を漂う硝子たちを見つめる。りんと音を鳴らす透明の半円、底から覗いた短冊。――“くらげ”と喩う言葉に同調するよに、ちいさな頷きを重ねた )ふふ、ほんとうね。まるで……この場所だけが、海に臨するかのよう( 躊躇う指さきを追うて、硝子の海を映した視線が移ろう。軽やかな音を乗せた風が、己に触れ続けていた )そう、ね。ちょっぴり迷ったのだけれど。わたしは、こちらのひと品を選ぼうと思うの。……シヤノさんには、好きなものが、おありかしら。ひとつを選ぶのならば、そのお手伝いをしたいと思ったのだけれど……如何かしら?( ゆるりと小首を傾げ、ひとつを問う )
金原・子夜乃 2021年6月27日
くらげにも、いろんな色のとか、かたちのとかがいるんだって。テレビ、 あー、本で見、マシタ。 (風に遊ばれるさまは波に似て、そう言えば今日は抜けるように空も青く。目を細めて見てみると、まるで海の中みたいに―――…は、見えませんでしたが。あなたから零れた花びらが行き交っているように見えて、まばたき) …そうか。七結せんぱいは赤っぽい色がお好きなんだな。お似合いだ、…と、思いマス。 (あなたに選ばれた風鈴を見て、深く子夜乃は頷きました。透けたガラスにあなたの色を移しましたと言われても、子夜乃は信じたでしょうから) ……え、いいの?子夜乃、その、まだあんまり好き…が、はっきりしてなくて。きれいだなとは思うんだけど、…。ごメンドウをお掛けしてしまうかもしれない。
蘭・七結 2021年6月29日
……わたしも、随分と前に眺めたことがあったような。なかったような。そのような気がするわ( 一面の青に囲われた静謐の空間へと、歩みを近づけたような。あわい嘗てへと思いを馳せつつも、かろやかな音色たちの方へと意識を向ける )ふふ、ありがとう。うれしいわ。あかい彩りは、とても好ましいの( ふふりと微笑を浮かべながら、あなたの言葉へと心を寄せる。ひとつ、ふたつと相槌を重ねて )もちろん。すきだと感じるものが、朧げであるのならば。ゆうるりと見附けてみましょう。好ましい彩、かたち、音色。なんでも良いわ。シヤノさんが、感じるままに( 見据える紫彩を細めながら、やわらかな微笑を注いだ )
金原・子夜乃 2021年7月7日
本当?七結せんぱいの世界にも、そういうものがあるんだな。 (子夜乃が思い浮かべたのは、いわゆる、水族館の映像です。テレビで見たのも正しくそれで、水槽の中で泳ぐくらげらを幻想的に照らすライトアップとか…そう云うものを思い出して) 子夜乃は、……先輩の、あかい、な好き、みたいなのだと……きんいろが好きだ。きらきらの。 (こんなの、と見せびらかすのは、幼い手指を似合わぬほど豪奢に飾る金細工の魔術具たちです。それは確かに、今日のような柔らかな日でもはっきりとした金色を宿していました) あとは、うーん、たべもの。食べるのが好きで、…でも、これも、特別好きってやつは見つけられていない。
蘭・七結 2021年7月8日
いいえ。わたしの住まう場所とも、この世界ともたがう場所の光景よ( 嘗ての光景へと思いを馳せて、やわく眦を緩めてみせた )――きらきらの、きんいろ( あなたが紡いだ言葉を、そのままの姿にて反響させる。次いで、華奢な音色へと視線が移ろった。己がうちへと落とし込むよに、ちいさな頷きを刻んで )うつくしい金細工ね。金の装飾が目を引くものを、探してみましょうか。……嗚呼、そう。気に留まる模様などは、あるかしら。花や星、月や雪……如何なるものでも、構わないわ( まばゆい金を宿す風鈴は、何処だろう。ついと紫彩が運ばれてゆく )……まあ、ふふ。ちょっぴり想像しがたいけれど、よおく召し上がるのかしら?( 赤、青、黄。とりどりの模様が描かれた風鈴たちをみとめながら、そう問うて )
金原・子夜乃 2021年7月18日
! ほんとっ?あのね、これ、子夜乃がお世話になってるひとが作ってくれるんだ!魔術に使う道具らしいんだけど…。 (何せ、まだいろんなものに自信が持てないから、あなたが自分の特別を“うつくしい”と言ってくれたことがとても嬉しかったのです。思わず、見せびらかした手を次はぎゅっと握り締めて、自分でもそのきらきらを眺めました) あのね、…UDCアースには、そういうのがあるんだ。水族館っていう。きっと綺麗だから、是非見に来てほしい。 (きっと、自分の知っているものとあなたの知っているものは違うと―――…その眼差しを見て、子夜乃は思いました。だから、自分の知っているものを見てみて欲しいとも) 子夜乃、花も星も月も雪も綺麗だと思う…けど。太陽がね、お世話になってるひとたちは好きみたいなんだ。もちろん、子夜乃も好きだけど。食べ物はね、みんなびっくりするくらい食べるよ。
蘭・七結 2021年7月24日
ふふ、ほんとうよ。金色がよおく似合うと、そう感じたわ( 次いだ魔術、と云う言葉に肯いて、きゅうと握られた手のひらを眺む。反射するきらめきの、目映いこと )すいぞくかん……( ぱち、ぱちと瞬きを刻んで、合点がいったように微笑んで )嗚呼、そう。その場所だわ、水族館。……ふふ、どうやらおんなじ場所を浮かべていたみたい。一度きりしか足を運んだことがないのだけれど、とてもステキな場所であったわ。また、機会があれば訪れてみようかしら、ね( 浮かべた青の光景は、硝子の隔ての向こう側。想起した景色を重ねて、唇が弧を描ききった )( 陽光のような、金装飾を乗せたひと品。うつくしい音色を奏でる玻璃を探そうと、紫彩が移ろう )たくさん召し上がる姿を、とても微笑ましく感じてしまいそう。わたしは甘味が好きなのだけれど、シヤノさんも、甘味はお好きかしら
金原・子夜乃 2021年8月3日
水族館、しかもいろんな場所にあるんだ。中身もそれぞれ違うから、UDCアースにいらっしゃったときにはぜひ。子夜乃も、全然詳しくないんだけど。テレビ……えーと。その、評判、で、よく聞くんだ。 (あなたが似合うと言ってくれたかがやきが、今日は殊更に自分の暗い膚に馴染んで見えました。それに、自分が想像したものとあなたが想像したものが同じだと知るや、その喜びもひとしおで) もちろん甘いものも好き…デス。甘いものもたくさん食べられるけど、ちょっと高いのが玉に瑕で、 (色気もそうだけど、食い気も。焦るように話しながらも、風鈴が揺れるほどの風が吹けば耳を澄ませるように言葉を区切り。風の後を追うように、視線が流れて))
蘭・七結 2021年8月10日
そう、それぞれに違う魅力を宿しているのね。お話を伺うだけで、惹かれてしまうかのよう。彼の世界へと赴く際には、歩みを寄せてみるわ( 新たな情報をひとつ懐いて、あなたに御礼を告げる。青い景色を思い浮かべると、胸が高鳴るかのよう )ふふ、そうかもしれないわね。お食事をいただくよりも、ちょっぴりお高めだものね。もし良ければ、シヤノさんのおすきな食べ物を伺ってもよいかしら( しゃららと星を鳴らすように、高らかな音色たちが耳に触れる。透き通る器たちを見映し続けながら、ある一箇所にて視線を留めて )――見附けた。彼方の、あの場所の辺り。金の装飾がうつくしい、風鈴たちが見えるわ。好ましいものは、ある?( 指のさきが示す先には、陽光に照らされた黄金色たちが見えるだろう )
金原・子夜乃 2021年8月17日
(うん、うん、とあなたの言葉のひとつひとつに頷いていました。自分のおすすめを聞いてもらえることのむずがゆき嬉しさが、最早言葉になりませんでしたから) え!好きな……ええと、……その、子夜乃。まだ、好きなもの……が、よくわからなくって。好きなもの、探してるんだ。……でも、いまのところ嫌いな食べ物、ない!全部おいしかった! (それだけは何よりも力強く、無意識に拳まで握って伝えました。これだけは勘違いされてはならぬと、そう思って、言葉を次ごうとし、) ―――…きれいだ。ガラスだけじゃなくて、金色のきらきらが。 (言葉は絶え。あなたのゆび先に導かれるよう、飾り棚の傍へと寄って)
蘭・七結 2021年8月27日
ふふ――( きゅ、と握られた手のひらに、無意識のうちに微笑が溢れて )好きなものさがし、ステキね。食べ物に、場所、ひと……数多のものの中から、あなたの“すき”が見附かりますように。……なんて、ちいさな言葉を添えてもよいかしら( 涼やかな音色を鳴らす、数多の硝子の器たち。まばゆい黄金へと寄って往く、あなたの姿を見守った )ええ、とても。うつくしい耀きだと感じるわ。同時に……やはり黄金の彩が、よおく似合っているとも、ね
金原・子夜乃 2021年9月26日
(ガラスに黄金色が混じってまだらな柄を潜めているものであったり、表に金色の施しがあり精緻な柄を纏っているものであったり。ひと言金色のものと言っても、其処には数々の輝きがありました。そのひとつひとつを、触れるか触れないか、確かめつつ) ……ううん、うれしい。ひとにそうやって、お祈りをしてもらえるのはすごくうれしい。デス。だから、きっとたくさん、子夜乃―――…好きになれると思うんだ。 (振り返る。ついで、かくりと首を傾げて) 似合う?本当?……つけて歩こうかな。 (大きいかしら。風鈴に向き直ると、むむと眉根を寄せます。あなたがそう言うなら―― と、思ったのですが)