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【 三歩目 】in夜行列車

椚・一叶 2020年6月30日

〔概要〕1:1RP。
〔場所〕サクラミラージュ、夜行列車。
〔相手〕先着一名様、どなたでも。
〔締切〕発言数20~30目安。一か月以上発言無い場合も終了。


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汽車が目指す先は、北の寒い地域。
車窓から覗く夜景は徐々に町の光が消え始め、深い闇へと包まれた。
時折白い影――幻朧桜の花びらが舞い、闇を彩る。

乗客たちは思い思いに夜を過ごし、やがて各々の寝台で夢の中に落ちていった。

「うぅ~……」

汽車の音に混じって低い唸り声が響く。
寝台車の個室で皆と同じように眠った筈の者――額に黒曜の角を生やした少年が、ごろごろと転がっていた。
何度か止まっては黙っていたが、一分も経たない内にまた唸る。

「ねむ…れない…」

そんな呟きを零した瞬間。
寝台の上から勢い余って転がり落ちた。




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椚・一叶 2020年6月30日
(ガンッと思いっきり壁にぶつかる音。暫くして、悲痛な声。汽車の音が響いていようと、流石にこの音は隣室や廊下に響いたかもしれない。しかし角持ちは意にも介さず後頭部を摩った)痛い……。益々、眠れない。此処、狭い。(深い溜息を吐いた。朝までが長い。此処に居るよりは良いだろう、と思い扉を開け、廊下に出た。左右を交互に見てどちらに行こうか迷う)
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ユオ・ノート 2020年7月1日
(少し仮眠でもしようかと横になったが、あまりの寝心地の悪さに扉を開いて少しばかり外を眺める事にした。)(窓の外の景色は暗くて良く見えない。窓に貼り付き、空を見上げようとした所ですぐ後ろの扉が開いた。)……驚いたな。お前も眠れなかったのか?
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椚・一叶 2020年7月1日
(迷う視線が問いかけた声の主を捉える。こくり、小さく頷いた)眠れない。揺れと音、気になる。(誰もが寝静まり、起きているのは自分一人ぐらいだと思っていた。故に眠れない同士を見付けたのは、表情には出さないが嬉しくて)……そういえば。展望室、というのがあると聞いた。行ってみるか。(語尾は相手を誘うように。けれど返事も待たずに、ゆっくり歩き出す)
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ユオ・ノート 2020年7月2日
俺も眠れなかった所だ。その展望室に行ってみようかな。(肯定を受け、先を歩いた背をゆったりと追いかけた。)右にも左にも揺れて、その上狭いのなんの。こんな中じゃ流石にゆっくりと寝れないよな。(その背に喋りかけ続ける)
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椚・一叶 2020年7月2日
(ついて来たと分かれば歩く速度を上げていく。自分より背の高い相手ならば、大した速度ではない筈だ。前を向いたまま返事をする)その通り。まるで、揺り籠。…それを喜ぶ歳でも、ない。

(そんな話をしている内に辿り着いた展望室。遅い時間帯だからか、照明は少し暗めだった。他の車両よりも広く作られた窓を見ると、やはり、闇に包まれている)…その内、何か見えたらいい。(溜息混じりに呟いて、後ろを振り返った。知らない相手に対する警戒心と、少しの期待が混じった夕陽色の瞳が相手を見る)眠くなるような話…、あるか?
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ユオ・ノート 2020年7月4日
(辿り着いた展望室は部屋と同じで静かだ。窓の外は同じ景色。特別、変わった様子もない)これが、昼間だったら綺麗な景色が見れたんだろうな。(ようやく振り返った相手に、わざとらしく肩を落として残念がって見せる。)ん?眠くなるような話?ああ、寝物語が必要か。眠くなるかは分からないが、白獅子の話は興味あるか?俺の相棒の話だ。
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椚・一叶 2020年7月5日
長い話、聞いていると眠くなる時、ある。何かを数えて寝るのと、同じ。(残念がる様子には気にした風もなく、暗に自分は子供ではないと言いたげに。大きな車窓を望めるよう、両端に向かい合う形で並べられた席へ。適当な所に座れば、話を促した)白獅子…。強そう。興味、ある。
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ユオ・ノート 2020年7月6日
それじゃ、白獅子の話をしよう。(ポケットから取り出したホイッスルを吹くと傍らに大きな鞄を背負った白獅子が現れた)改めて俺はユオでそれからこっちの白獅子は白夜。立派な精霊だ。お前の名前は?
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椚・一叶 2020年7月7日
(白獅子の姿を頭の中で、想像していたものだから。目の前に現れた本物に、あんぐり口を開けた。猟兵か、と呟いて驚きを呑み込む)…儂は椚、一叶。好きなように、呼ぶといい。(名乗りながら、白獅子――白夜に興味深々。その場に留まったまま、じっと見つめ続けた)
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ユオ・ノート 2020年7月8日
それじゃ、一叶って呼ばせてもらうな。(視線が突き刺さるのか白獅子は見つめ続ける視線を見返した)ああ、俺は猟兵でもあって行商人でもある。この白獅子、白夜が相棒だぜ。最初は一人で行商人をしてたんだが、ある世界で小さいこいつを助けたらこんな風について来てくれるようになった。無暗に触れるなよ。白夜は気高いからな。食われるぜ。
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椚・一叶 2020年7月9日
(目が合った。何となく逸らしてはいけないような気がして、眼力を籠めながら見つめ続ける)行商人?何を売ってる。食い物か。(自分の希望混じりに訊ね、うっかり手を出さないよう腕を組んで見せた)そんな愚かなこと、しない。見れば、分かる。それに。精霊、動物…儂には、いつも懐かない。
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ユオ・ノート 2020年7月10日
(白獅子の金の瞳がぎろりと見つめ返した。)食べ物は今の所売ってないな。道具や武器と言った所だ。希望があれば食料も取り扱うが、食料が欲しいと言う奴らと取り引きをしてない。もっぱら金持ちがメインだ。動物に懐かれないのか。何となく分かるような気もするな……。
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椚・一叶 2020年7月10日
金持ちがメイン、なら。儲かってそう。(羨ましさと妬ましさを隠そうともせずに言う。続く言葉に白獅子を見つめ合うのを忘れ、主の方を見上げた)分かる?何故。何故、懐かれない?
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ユオ・ノート 2020年7月11日
普通より儲かってるぜ。(此方を見る視線に気づき見返した)さっきから白夜と睨み合っているからな。動物に好かれる奴はまず白夜を無言で睨みつけないぜ?このまま白夜がお前に牙を剥いたら、仕返しそうな勢いだな。
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椚・一叶 2020年7月13日
見…見てるだけ、だった。(その心算だった。指で眉間の皺を揉み解し、改めて白獅子を見る。出来るだけ普通に、普通に)…助けたらついて来た、と言った。他に、どうやって。距離、縮めた?(普通に見ている心算でも、まだ自信はない。秘訣があるなら聞きたい、と)
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ユオ・ノート 2020年7月15日
普段から目つきが悪いってやつか。なら仕方ないよな。白夜、勘弁してやれ
(白獅子は鼻を鳴らした)ん?こいつの世話をしたんだ。そしたら俺に従順になったな。ま、生活する場所を与えたんだ。ついでに契約もした。白夜は普通の動物とは違うからな。その辺の動物に契約を迫るもんじゃないぞ?
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椚・一叶 2020年7月16日
…。(そうだったんだ)(目つきの悪さに今気付いたような表情を一瞬浮かべた。そういえば鏡を久しく見ていない)今の。許された?(鼻を鳴らした白獅子を指差し、直ぐに手を引っ込めた)儂は、何も得を与えられない。どんな奴とでも、無理。…それで。白夜はユオに、何をしてくれる?
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ユオ・ノート 2020年7月20日
許したんじゃないか?(もう一度白獅子を見た。そっぽ向いた。)無理なら仕方がないよな?そんな奴も大勢いるだろ。白夜は俺の代わりに戦ってくれる。それから荷を守り、客へ届ける為の宝も守る。行商人ってのは危険と隣り合わせだ。一人であれこれやるよりももう一人いるだけで全然違うんだよ。会話は出来ないが、白夜は俺の言葉を理解しているから変に人を雇うよりも楽だぜ。
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椚・一叶 2020年7月22日
(許されたような気はするが、距離は変わっていない。それでも見詰める以外の反応があったのは少し嬉しく、口の端を上げた)ふうん。そうか。白夜、強そう。いや、きっと、強い。噛む力とか。儂も強い。(んが、と大口開け、獅子と比べたら小さな歯列を見せる)だから、こんなにも信頼されてる。…まあ。座ると、いい。白夜もごろごろしていい。(眼前の席を視線で示し、首の辺りを揉み解す。気遣いというより、座りながら高身長を見るのが疲れた様子)
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ユオ・ノート 2020年7月24日
それじゃ、失礼して。(適当な場所に腰を落ち着けた。)お前も噛む力が強いのか。それじゃ、白夜の食う干し肉でも食べるか?(鞄の中から干し肉を取り出してちらつかせた。白夜は転がる気配も無い。こんな時でも神経を研ぎ澄ませて警戒をしている。)
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椚・一叶 2020年7月25日
……儂を。動物扱い、してないか?(と言いつつも、目は干し肉に釘付けだった。一瞬たりとも目を離さない。肉の匂いを嗅ごうと微かに鼻も動いた)……………食べる。(プライド<食べ物)
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ユオ・ノート 2020年7月27日
はは、許せ。噛む力が強いって言われたらやっぱ気になるだろ?(取り出した肉を下から放り投げて手渡す。白夜は大人しく干し肉を待った。)(喉元を撫で、白夜の分の干し肉も渡す。手元の肉はあっという間に無くなった)俺は噛みきれない肉だけど、お前はどうかな?
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椚・一叶 2020年7月27日
ふん。そういうこと、か。(あっさり納得して、干し肉をキャッチ)後から貰っても、大人しい。(その白夜があっという間に平らげたのを見ながら、自分も干し肉にかぶりついた)(ガジガジ)……固い。(苦い顔。後少しで噛み切れそうだったが、諦めて端からちょっとずつ齧っていくことにした。口の中に広がる肉の旨味に、直ぐに表情が明るく輝き始め)従いたくなる気持ち、少し分かった。
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ユオ・ノート 2020年7月30日
(干し肉を噛む様子を眺めていた。最初は固いと苦い顔をしておきながら、今はすっかり真逆の顔。笑い声が漏れる)従いたくなる気持ちが分かったか!お前もその肉が気に入ったか!それは良かった良かった。まだあるけど、いるかい?(もう一枚、白夜にやるついでに肉を取り出す)
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椚・一叶 2020年7月30日
貰えるもの、貰っておく。(万が一顎が疲れて食べ切れなければ、持っておいて非常食にすればいいと考えた。食べながら偉そうに片手を出した後)…儂は返せるもの、無い。行商人、利益なくていいのか。(疑うというよりは、不思議そうに)
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ユオ・ノート 2020年8月5日
(差し出された手にもう二枚、干し肉を乗せて、)(声を上げる)利益か。この干し肉と同じ物を返せないならって言いたい所だが、別に良いさ。サービスサービス!今は持ってなくてもまた会った時に何かくれたらって、普段も何も持っていないのか?
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椚・一叶 2020年8月5日
(今夜はご馳走だ。新たに渡された干し肉をしっかり懐に仕舞い込む。口の端を上げ、大人しい白夜に笑いかけた)貴様の主人、良い奴。ふとっぱら。(干し肉を齧りながら天井を見つめて考えたが、これといって渡せるようなものは浮かばない)あんまり持ち物、持たない主義。………あ。(何か気付いた顔で立ち上がり、窓に寄ってちょいちょい、と手招く)ここに立ち、目、瞑っていろ。
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ユオ・ノート 2020年8月7日
ここに立って目を瞑る?(言われた通りに立ち、目を瞑った。白夜はそれを眺めている。)(訳が分からず、首を傾げて見せた。)
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椚・一叶 2020年8月9日
(視界の端で列車はトンネルに入ったのを見ていた。その瞬間、僅かに光るものがあったのも見た。言う通りにしたのを確認し、白夜には人差し指を立ててみせてから窓を見詰めた。トンネルから出て暫く。ここぞという時に、)もう開けていい。(―――雲が退いた夜空に、たくさんの星が瞬いていた。闇に包まれ、更に目を瞑った後ならばより輝きは増して見える筈。種も仕掛けもある、自分の手柄ですらないことだったが、自信満々に)これで礼となるか。
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ユオ・ノート 2020年8月10日
ぷっ……。(笑いを堪える。目を開くと満天の星空があったからだ)これが対価か?(白夜は目を瞑っていた)綺麗なもんだな。いつもの星空みたいだけどな。お前がやったのか?(わざとらしく窓の外に身を乗り出した)
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椚・一叶 2020年8月12日
カカッ。ある意味では、儂がやった、とも言う。(堪える笑い声の意味すら考えず、軽快に笑い返す。腰に手を当て尚も偉そうに)良い対価、なった。払い終えたか。時間も潰れたし、そろそろ部屋、戻る。ユオと白夜は、どうする?未だ眠れないなら、眺めているといい。(お陰で少しは眠気が出始めた。腕を伸ばした後ゆるり歩き出す)
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ユオ・ノート 2020年8月14日
今度は何を見せてくれるのかって期待してしまうな。次の対価もとびっきりをよろしくな。(笑い声をあげ)俺も良い暇つぶしになったな。白夜と一緒に戻ろう。途中まで一緒に行こうぜ(白夜と共に部屋への道のりを戻った)
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椚・一叶 2020年8月14日
あぁ。(相手の言に頷き、二人と一頭は展望室を後にする。変わらず狭く揺れる列車内、けれども瞬く星たちが今度は静かな眠りを齎してくれると信じて)
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椚・一叶 2020年8月14日
【 了 】
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