本の森と夜の底 仮ぷれ
ガーネット・グレイローズ 2019年12月27日
【かんさつにっき】
本棚の壁が何層にも重なっている……
これらがすべて、この世界の人々が残していった記憶なんだね。
革張りのソファーに腰かけ、天体や宇宙の学問について記された本を手に取ってみる。人の精神世界こそがひとつの宇宙……成る程、そういう捉え方もあるか。
サトと杏は何の本を読みたいんだ? 念動力で、上の方のを取ってあげよう。
……うさぎさんの絵本か。(くすっと笑い、杏に手渡す)はい、どうぞ。
私も、童心に帰って冒険譚などを手に取ってみよう。
それは、魔法使いの少女が異国を旅して成長していく物語。
読み終わると心地よい眠気がやってきて。きっと私は主人公の少女になって物語の続きを夢見るのだろう。
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