【過日】水底を遊ぶ貝のように
パレード・ペッパーポート 2019年5月29日
春といえば何を思い浮かべるだろうか。
そう、潮干狩りだ。
俺はサムライエンパイアのとある地域に、世にも珍しい二枚貝が生息するという伝説を耳にした。
その名も『金螺貝(オラガイ)』。
なんでも貝殻に金細工のような見事な文様があり、宝石のように美しいのだという。
まあ、最悪見つからなくても普通の貝をお土産に持って帰ればいいだろう。
ここで採れるアサリは美味しいらしい。
※パレードと子夜乃で1:1
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パレード・ペッパーポート 2019年6月9日
帽子は、そうだな。ちょっと可愛くないけど……こうしたらどうだ。(持ってきたナップサックの肩紐を、一本解く。)(拒まれなければ、帽子の上から顎に紐をおろして結んでやる。ボンネットみたいな感じだ。)
金原・子夜乃 2019年6月17日
そっか。大きいと、分けるのも大変かも。 (テレビで見た、まんまるのケーキを切り分ける映像を思い出して。喧嘩になっちゃうかもしれない。子夜乃はそう思いました) ……っ、会社で飼う? (慣れない帽子がかぶさって、少し小さくなった気分。急な日陰に目をしろくろさせつつ、更に顎下にくる結び目にむずがりつつ。でも、少し頭を振ってみても飛んでいきそうな不安定はなかったので、帽子をぽんぽんと触ってみて) ……。…なくさなそう。 (頷き)(可愛くないらしいけど)
パレード・ペッパーポート 2019年6月20日
本気で飼うのか?(そのとき少し、「しまった」と思った。軽率な約束で、嘘つきにはなりたくない)(一先ずシヤノの肌が守られたことに安心して、足元のバケツを持ち上げる) ……シヤノ、動物の世話得意か?(波に向かって踏み出しながら、横の少女に訊く。歩いたあとにはサンダルの底がスタンプされていった)
金原・子夜乃 2019年7月21日
………? (子夜乃は不思議に思いました。彼が本気を問うたことよりも、その語尾の声色にです。顎を多めにあげると、つばの向こうからあなたを見つめるひとみがありました) したことない。……あ、…食べ物は、わけたりする。 (野良のよしみというか、なんというか。彼らとは仲良くなれやすい性質でしたから、見かけると交流を図ることはありました。しかし、どちらかというと世話をされているのは、子夜乃の方です)(4こ、並ぶ大きさの違う足跡)
パレード・ペッパーポート 2019年7月24日
海の貝ってのは、殻は硬いが中身は意外と繊細なんだ。水質が悪いとすぐ死んじまう。(指を立てるのは本で読んだ知識を思い出すためのアンテナだ。電波の良い傾きを探してふらふら揺れる) だからやっぱり、最初に飼うにはちょっと難易度が高いと思う、残念だけど。毎日海水を汲んでくるのは大変だろ?(それと、シヤノの純粋な瞳から逃れたかったのも本音)
金原・子夜乃 2019年8月19日
ふうん…。ダイヒョウトリシマリヤク、物知り。 (振れる指先に視線を奪われつつも、結局興味を奪われたのはあなたの言葉でした。貝が繊細。あんなに硬くて強そうなのに、思いも寄らない話です。慎重に、傷つけないように採ろう。そう、これからの気持ちも新たにして) 住むところの居心地が悪いのはかわいそう。飼われるの、いやって動物も確かにいるし。 (深く、あなたの思いやりに首肯いて。あなたが逃げたがっているとも知らず、その後を追いかけます)
パレード・ペッパーポート 2019年8月26日
たまたまシヤノが知らなかったことを知ってただけだ。それに、今のは予習した知識だからインチキだな。(並がつま先の前まで手を伸ばして、悔しそうに引いていくのを追いかける) シヤノはどう思う。飼われる人生もアリか?(戻ってきた波が足を濡らした。袖を捲くって、しゃがむ)
金原・子夜乃 2019年9月2日
………子夜乃、ずっと飼われて、 ―――…いた、わけでもない、けど。どちらかと言えばそう、だった。 (餌はあんまり出なかったけど、確かに彼らのものだった。世話もあんまりされなかったけど、確かに自由はなかった。でも、やっぱり、その言葉はしっくりきません。屈む彼を追うことが出来ず、ひとりで首を捻って) でも、テレビでたまに見かける。癒されるとか、この子のために頑張ってるとか、飼い主さんがそう言ってるのを見ると凄いなって思ったりする。
パレード・ペッパーポート 2019年9月3日
過去形か?だったらいいんだけど。(盛り上がった砂の下を掻いてみる。しばらく掘り進んだが、何も見つからなかった) もし俺と違って、お前が自由なら。せめてシヤノのことを決める人は、シヤノ自身で選ぶんだぞ。(砂のついた手を波に洗わせる。立ち上がって振り返ると、思ったより彼女が後ろの方にいたことに気付いた)
金原・子夜乃 2019年9月11日
好きなとき、 (次の言葉が出て来なくて、子夜乃の眼差しは波打ち際の色の違うラインを辿りました。考えるときは黙り込む。仕組みの鈍いつくりで) …外に、出掛けられるのは自由? (しかし、その状況が過去のものであることは間違いありません。いま、子夜乃はあの頃とは違う場所に棲んでいますから)(見つめていたその背中が立ち上がると、はっとした様子で瞬いて。惚けてしまっていたことに気付いたらしい) ……自由かどうかはよくわからない、けど。子夜乃、いまの方がす
金原・子夜乃 2019年9月11日
!!!(考えていたところに雫の強襲)(ぶわわっと全身が毛羽立った)
パレード・ペッパーポート 2019年9月14日
(からからと笑った。雫をかけられたときの仕草が、野良猫に同じことをしてやったときによく似ていたから)
パレード・ペッパーポート 2019年9月14日
(目線を下に戻し、砂の盛り上がりを見つけては再び屈んで砂を掻く)うーん。自分で言っておいてなんだけど……自由って難しいよな……おっ。(アサリを発見。海水と一緒にバケツの中に入れて、こいこいとシヤノを手招きした。にゅっと出た水管が蠢いている) 例えばこいつを水槽に入れておいたとして、こいつがそこを海だと思えば捕らわれていることに気付かないわけだ。
金原・子夜乃 2019年9月17日
(手の甲で涙みたいな雫を拭って、寝惚けたネコみたいに瞬いて。新しい世界は眩しくて、あなたは子夜乃のことを呼んでいました。波間、バケツ、濡れた砂。パレードの傍に屈みこみ) ………自分がさらわれたことにも気付かない? (バケツの中を覗き込みます。小さな海、ひとりぼっち、高い壁。海って大きな穴なんだ、子夜乃はそう思いました)
パレード・ペッパーポート 2019年9月20日
たぶんな。(隣に並んだ碧玉を見る。二人して屈めば、目線はそうは変わらない) ……かわいそうだと思う?
金原・子夜乃 2019年9月25日
子夜乃は、 (膝を抱え込んでバケツの中を見下ろしたまま。波もなく、敵もなく、其処はとても平和そうで)(しばし、間) …………話してみないとわからない。でも、…… (その、碧色があなたを見ました) 自由なのも、自由じゃないのも、自由だと思う。でも、自分が自由じゃない、って思うなら、よくないと思う。 (あなたを見ていました)
パレード・ペッパーポート 2019年10月2日
(真っ直ぐ見つめてくるシヤノの碧が、俺の灰色に燃え移るような気さえして、勇気をもらった。眩しいものを見るように、眼を細くして笑ってしまう) ……じゃあ、このカニがシヤノだとしよう。(小さなカニをバケツの中に入れる。カニは危機を悟って焦ったように動き回るけど、プラスチックの壁を登ることはできない) 俺はバケツの中のシヤノに、外は危険でいっぱいだから、俺がこの中で世話をしてあげると言う。欲しいものはなんでもあげる。どう?
金原・子夜乃 2019年10月4日
カニ。 (彼の手で摘まみあげられじたばたとハサミを動かす抵抗とか、それから解放されたとしても狭いバケツの壁に横歩きでぶつかっている必死さを見ていました。自分もこんな風に慌てるだろうか。わからないけど、このカニは、もう少し経てば落ち着きを取り戻し、そして此処で暮らし始めるだろうと思い) あぶないってダイヒョウトリシマリヤクが言うなら、そこにいるわ。でも、どれくらいあぶないのかは知りたい。 (まだ、落ち着かないカニを見下ろして)
パレード・ペッパーポート 2019年10月7日
……俺が、シヤノに言うことには、(……) シヤノが外の世界に触れ続けると、誰かを好きになる。(記憶の中で、女は俺の頬に触れながら言っていた) たくさんの好きは、どれかが「外れ」に繋がっていて、いつかシヤノを殺してしまう。
金原・子夜乃 2019年10月27日
子夜乃、 (子夜乃は、想像しました)(誰かに親切にしてもらうところ)(ふかふかさせてもらうところ)(おいしいご飯をもらうところ) ……子夜乃が、好きになったひとにころされてしまうの?
パレード・ペッパーポート 2019年10月27日
さあ。シヤノがどんなふうに死ぬのかまでは、俺には教えてあげられない。ただ、人を好きなることは危険なことなんだよと教える。でも仮に……(口の中に砂が入っている気がして、一度つばを飲み込んだ) シヤノの好きな人がシヤノにナイフを振り下ろしたら……理由を聞いても話し合いにも応じてくれなかったら、どうする?(カニはバケツの隅を歩き回るのに必死で、貝は何も言わずに殻を閉じている)
金原・子夜乃 2019年11月1日
―――――………、 (ない頭を一生懸命、一生懸命、あなたのいうその未来に馳せさせました。声を掛けてもらったこと。紅茶をごちそうしてもらったときのこと。かわいいって言ってもらえたときのこと。いつの間にか、子夜乃の緑色の双眸はあなたをまっすぐに見つめていました) 子夜乃、きっと、ナイフ、刺さってしまう。でも、―――…好きになりたい。好きになるの、やめたくない。だから、……、… さ、…刺さっても、……死なないようにする。
パレード・ペッパーポート 2019年11月3日
んフッ……!(とっさに下を向いて顔を隠したが、肩が震えるのまでは隠せなかっただろう)(なんて頭のいい子なんだ)
パレード・ペッパーポート 2019年11月3日
フ、ふふふ……シヤノは、強いんだなあ。(眦の水気を指で弾く) だったら貝はおすすめだぞ。たくさん食べて貝みたいに丈夫になれば、ナイフも刺さらないかも。(砂をほじくって見つけたもう一匹の貝を、シヤノの手に乗せる)
金原・子夜乃 2019年11月10日
………。子夜乃は強くない…。 (たぶん、ばかなことを言ったのだと子夜乃は思いました。あなたの問いに相応しい回答ではないことも、わかっています。足許に落ちた視線は何処か不満げで)
金原・子夜乃 2019年11月10日
子夜乃、貝もいいけどカメもいいと思ってる。あの甲羅があれば、外で寝ても安心。…ちょっと重たそうだけど。(掌に載せられた貝にも、物怖じせず。握りこそしなかったものの、指先で可愛がるような仕草を見せて)
パレード・ペッパーポート 2019年11月12日
(失礼をはたらいてしまった聡い女の子に謝りたくて、帽子の上からぽんと叩く)
金原・子夜乃 2019年11月24日
(あなたから借りた帽子が更に頭に馴染みます。招かれるように、視線はまたあなたに) ううん。眠るときは木の上とか、高いところにしてるから。落っこちたこともない。
パレード・ペッパーポート 2019年11月25日
……なんで木の上で寝るんだ? ……いや、聞き方を間違えた。なんでベッドで寝ないんだ?
金原・子夜乃 2019年11月27日
ちゃんと屋根の下で眠ることの方が多い。そう出来ないときは、木の上にしてるだけ。 (両手でぎゅっと帽子を被り直して) 遠くに行ってるとか、眠いの間に合わないとか。そういうとき。
パレード・ペッパーポート 2019年12月2日
前からちょっと思ってたけどシヤノは……猫みたいだ。(緩んだあご紐を解いて、結び直してやる)
金原・子夜乃 2019年12月4日
(首許に伸びてくる手と其処にある感触で意図を察したのか、明け渡すように子夜乃は顎を上げ、首を晒しました。ひもの擦れるのは擽ったかったけど、そこはぐっと我慢をして)ありがとう、ダイヒョウトリシマリヤク。子夜乃は前、ネズミとは呼ばれていたけどネコは初めてだ。
パレード・ペッパーポート 2019年12月5日
(首を明け渡す無警戒な姿も、人懐こい猫に見える。くすぐってやりたいけど、今は海水で手が濡れているからかわいそうだ)
なんでネズミなんだろうな。色黒だから?ってことは、ハツカネズミじゃなさそうだ。
金原・子夜乃 2019年12月8日
わからない。たぶん、あんまりいい意味じゃなかったんだと思う。子夜乃はネズミ、かわいいと思うけど…。 (ぴったりと収まった帽子を確かめるように数度頭を振りましたが、もちろん全然取れません。満足げに深く頷きます。子夜乃はいま、陽射しから守られました)(……) ねえ、ダイヒョウトリシマリヤク。 (あなたを見て)
パレード・ペッパーポート 2019年12月10日
そうなんだ……。(目の前で頭を振る少女を見ながら、いつか面会した、別の彼女のことを考えていた。推察とか、そういうのじゃない。思い出すように、考えていた)(だから少女が可愛らしく頷く仕草を記憶に収めそこねたし、呼ばれて意識を戻すのに一拍の時間がかかった)
……ん?
金原・子夜乃 2019年12月14日
子夜乃は、 (片方の手には、あなたに載せられた貝を。もう片方の手で、バケツの中の貝を恐れもなく摘まみました。ふたつの貝を手のひらに並べて、おひさまに晒してあなたに見せるよう) 子夜乃は、そこから貝を出すことが出来る。出して、海風がきもちいいねって言って、 (貝をまたバケツの中に戻し) 帰してあげられる。子夜乃はカニじゃないから。
パレード・ペッパーポート 2019年12月16日
……なあシヤノ。シヤノが強いって言ったこと、からかったわけじゃないんだ。シヤノなら、いつか好きな人に裏切られるようなことがあっても、ちゃんと自分で考えて行動することができる。(それは選択をするということ。少なくとも、「状況に殺される」ことがないということ)
でも、もしその先に困って、どうしたらいいかわからなくなったら思い出して欲しいんだ。シヤノが好きになった人の中には、シヤノを助けてくれる人もいるって。
金原・子夜乃 2019年12月18日
……?わかった…? (どういう意味、と訊きたい気持ちもありました。でも、子夜乃には好きなひとに裏切られる想像も、刺される想像も、誰にも言えないも想像できなかったものですから、不思議そうに頷くに留まります。ねえさんや、他の人格はみんな子夜乃のことを全部知っていました。彼らはきっと、いつだって子夜乃を助けてくれるでしょう) ダイヒョウトリシマリヤクには? (あなたにはいるのかと)
パレード・ペッパーポート 2019年12月21日
え?(まるで数式の答えを教えてあげた相手に、こっちの方が楽に解けるよ、と教えられたような気持ちだった) 俺か?俺には……(その式を何度も確認して、何も矛盾がないことを何度も何度も確認して……まるで、間違っていて欲しいみたいに) ……俺にも、いるな。…………いたわ。(それが正しいことがわかると、途端にあたたかいものが弾けたような気がした)
パレード・ペッパーポート 2019年12月21日
……シヤノも、俺が困ってたら助けてくれる?(それを、式の証明のための最後の確認にした)
金原・子夜乃 2019年12月24日
あたりまえだ。子夜乃はいの一番でダイヒョウトリシマリヤクを助けるぞ。
パレード・ペッパーポート 2019年12月28日
そっか……じゃあ安心だ。(少年のように笑った顔は無垢で、まるで時間が逆行しているようだった)
パレード・ペッパーポート 2019年12月28日
(バケツの中からカニを逃がす。広い世界に帰ったそれは、慌てたように逃げていった) ようし、それじゃあ俺の好きな人たちのためにも、お土産たくさん摂って帰るか!シヤノも頑張ってバケツいっぱいにしてくれよ。(背伸びをして、ナップサックから「くまで」を取り出し少女に渡す)
金原・子夜乃 2020年1月4日
そう、安心だ。だって、子夜乃だってひとりじゃない。子夜乃は、いわゆる、5人力だから!(ご、と、ゆびを全部広げてあなたに掌を見せました。こればかりは、無力な自分だって数に入れます。何も出来ないかもしれないけど、するから、5人力なのです) うむ!子夜乃も、お土産は楽しみ。たくさん、みんなで食べられるように、獲ろう。 (5人力だった手のひらで、子夜乃がくまでを受け取って。何度か握ってみて、何となく使い方を理解しました。ぶんぶん振り回して)
パレード・ペッパーポート 2020年1月6日
そう、か。シヤノと一緒に、頼りになる人たちがついててよかったよ。(広げられた指の谷から、誇らしげな少女の顔が見える。その眩しい信頼に、彼女が信じる彼女らを信じようと思った)
パレード・ペッパーポート 2020年1月6日
(熊手を振り回す少女の手を取って、アサリの探し方を教える)
(その日金螺貝は見つからなかったが、バケツいっぱいのアサリと2匹のナマコを持ち帰り、魚河岸で立派な鯛を一匹買って、H&Fでは夕飯が振る舞われた)