0
フライングダッチマン号

マリア・フォルトゥナーテ 2022年3月2日

【設定】
 フライングダッチマン号は、マリア・フォルトゥナーテが手造りで造った元はただの大型帆船。当然マリアに造船技術はなかったため、それっぽい形にしたただのハリボテ。故に本来ならば船底含めて隙間だらけで進水式と共に沈没する予定だった。しかし、後先考えぬ進水式を行うと同時に、伝承と同様に海の神をできる限り馬鹿にした結果、神から審判の日まで海を彷徨う呪いを受けた。ただし、罵り方が生温かったため、伝承と違い、船長自身は呪いを受けず、愛する船にのみ呪いがかかった。

その後、神から侮辱した贖罪のために、海の死者を死の国に導く聖なる仕事が船長に与えられる。仕事故に、サボれば当然罰が待っており、船長ではなく、心から愛する船の方が醜く深海生物化(=海と化す)し、おぞましい姿となっていく罰だった。しかし、マリアはこの状態の船をこそ望んでいたために全身全霊でサボりまくり、ダッチマン号は現在の姿に堕ちた。

聖なる仕事を任された以上、船長はダッチマンを用いて死の国に自在に移動が可能であり、本来は違法だが死者を蘇らせることも可能。しかし、海で死んだ者限定の干渉故、陸で死んだ者には関与できない。船が死の国と現世を行き来する際、空まで立ち昇る碧の閃光が放たれ、それは多くの船乗り達の語り草となっている。

死の国と現世の境に海の墓場(デイヴィ・ジョーンズ・ロッカー)があり、ここは広大な白い平野があるだけの平坦な島。この島に降りてしまうと生きながら死んだ状態となり、世界からバグとして認識され、自力で脱出はできず、欲を満たせないまま永遠に生き続けなければならない。

ダッチマン号は聖なる仕事を放棄した罰の進行により最早海そのものとなり、船が海と同じ概念であるため潜航が可能である。潜航に際して
船の形が崩れることはない。逆に船体を海水にすることも可能だが、船員全てが海に放り出されるので、やるメリットがない。

審判の日まで海を彷徨い続けなければならない呪いのため陸に辿りつけない。逆説的に彷徨い続ける事を強いられるため、粉みじんに破壊しようと、沈んでは彷徨えないという矛盾を正すために船は瞬く間に再生する。この際、呪いを受けた後に船に乗せた家具などは再生されない。

船長は、聖なる仕事の権能により、海の死者を思うままに操る事ができる。マリアはこれにより、海の悪霊を働かせて徳を積ませ、罪を清算できた順に天国に送り出していた。

ダッチマン号には、死者の宝箱という特別なアイテムがある。ダッチマンが呪いを受けた時に、マリアが気分を上げるために乗せていた小脇に抱えられるサイズの宝箱で、この宝箱も同様の呪いにかかっているため、この中に自身の一部を納める事でダッチマンが持っている呪いを
一時的に受けることができる。船同様、海そのものとなるため実質海の上では不死身となり、海の上でなら目に見える範囲でなら、ダッチマンと同化して壁をすり抜けたり、別の船に瞬間移動もできる。しかし、同時に陸に上がれなくなり、もしも陸でこの呪いを受けると体が海水となって、強制的に海まで引き戻され、そこで元の体に戻る。一旦不死の呪いは受けるため、陸でどれほど傷つこうともこの呪いを受けて海に戻れば、傷一つない本来の姿に戻れる。
マリアはこの不死性を良い事に、憧れからわざわざ心臓を好んで選び、抉り出していた。ちなみにすぐに心臓を箱に納めて呪いを受けられなかった場合、普通に死ぬ。

クラーケンは、深海を潜航中に探し出し、一日一頭のクジラを与えるのを引き換えにペットとして契約してつながっている。クラーケンは誰にでも温和な性格だがマリアの事はあんまり好きじゃなかった。


【船の概要】
 ガレオン船。フリュート
 全長170フィート
 左右の中腹に10門ずつの36ポンド砲
 左右の甲板に9門ずつの24ポンド砲
 船首上部に、2機の三転式カノン砲




0