花よりカブトムシ
鵜飼・章 2022年2月15日
「なんでカブトムシ取り放題やらないのさ」
鵜飼・章(シュレディンガーの鵺・f03255)はとても不満そうであった。鵜飼・章(シュレディンガーの鵺・f03255)ってこんな人でしたっけ?
とにかく、いかにもカブトムシ大好きですみたいな浮かれた扮装の少年は、どこで買ったのかヘラクレスオオカブトのフロートを小脇に抱えつつ、もう片方の手で虫取り網を握っている。奴は本気である。
「しょうがないからぼくがカブトムシの集まるビーチを見つけてきた。ここのカブトムシは夏っぽいものに惹かれて寄ってくる習性があるから、花火を打ち上げるだけでカブトムシ取り放題だ」
ここはカクリヨ、ノスタルジックが世界の果てまで連なる世界。
まあ中にはそんな不思議な入れ食いスポットもあったりとかするだろう。
「花火以外にも夏っぽいことをすれば寄ってくるから、きみたちは宿題をしても蚊取り線香を焚いても同人誌を売っても構わない」
夜の浜辺で同人誌売る人、カブトムシに興味あるのだろうか。
「クワガタ派にも優しい世界だからカブトムシ以外の昆虫も捕まえられるよ。カタツムリとか、スズムシとかさ」
さすがカクリヨ、季節感もカタストロフ。
「あとこれはとても重要なんだけど、UDCアースでは忘れさられた新種のカブトムシなどもここには出てくるという噂なんだ。それらを捕まえることができれば、なんと……名前をつけられる」
名前をつけられる!
つまりフタバスズキリュウみたいな名前のオリジナルカブトムシやオリジナルクワガタを新発見できてしまうかもしれないのだ! すごいすごすぎる!
この夏、きみだけのカブトムシを見つけて、他の虫取り野郎たちに差をつけろ!
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